【天才はあきらめた】山ちゃんはムカつく状況をガソリンに変えてあの人とゴールインしました(本の感想)

本のこと

「山ちゃんは天才だ。間違いない。」

 

彼の登場によって、ツッコミの概念そのものが変わってしまった。

それまでは漫才の華であるボケを引き立てるアシスト役。

 

それが山ちゃんの登場によって、ボケを発射台に発車するロケットのように、

ゴール前でボケからボールを奪って点を取るストライカー的なツッコミという新ジャンルが生まれてしまったのだから。

 

※なお、これらはすべてナイツ塙さんの著書「言い訳」での秀逸な分析を参考にさせていただいた。

 

 

 

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妬(ねた)み僻(ひが)み嫉(そね)み。あらゆる負の感情をガソリンに変える男

 

山ちゃんのラジオを聞いていればわかるけれど…とかいいつつあんまり真面目に聞いたことはないんだけど…あ、子供のコーナー面白かったよね。

 

とにかく、いろんな方面に対するコンプレックス(負の感情)がすごい。

たとえば、同期のキングコング(特に西野さん)との確執は有名だし、あの風貌も相まって妬みキャラが板についている。

 

 

しかし、今回山ちゃん著「天才はあきらめた」を読んでいて、やはりすごい人だなーと確信した。

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一言でいうならば、世のありとあらゆるものに対して感じる悔しさや怒りを全部ガソリンに変えて猛スピードで走るスーパーカーみたいな感じ…

 

いや、ちょっと違うかも。

どちらかというと24時間止まらずに走り続けるおそるべきお笑いのスタミナ…みたいなイメージのほうがしっくりくるかもしれない…なんて個人的な感想。

 

ウサギとカメでいうなら無尽蔵のスタミナとタフさを備えた最強のカメ。

まあ、イメージの話はどうでもいい。

 

 

たとえば、まだオーディションを受けまくっていた下積み時代、

吉本の社員さんに、

本来、自分たちに来ていたはずの仕事のオファーを勝手に断られてその理由を尋ね

 

「お前ら、まだ素人なんだから仕事なんか受けるわけないだろ。」

と顔も見ずに一蹴されたとき。

 

さすがに萎えそうになる心

 

そのときの心境を山ちゃんは本のなかでこんな風に書いている

 

頭の中に「ヤバイ腐る!」という思いがよぎった。だけど、ここで悪態をついて「こんな状況だから仕方ない」という言葉で片付けてしまうと、努力を怠るという選択肢ができてしまう。

(中略)

正直面倒くさい作業だけれど、腐らないためにどうすればいいか考えなきゃいけない。

これまでためてきた張りぼての自信を駆使して、前に進む選択肢を考えた。

 

 

落ち込んで腐りそうな自分を救う張りぼての自信貯金

 

山ちゃんがモチベを保つために普段から習慣化していて、苦しい時に自分を救ってくれたという張りぼての自信貯金。

賞レースで自分がなれなかったライブのレギュラーメンバーたちを抑えて優秀賞をとったことだったり、日常の中で自分ががんばれたこと、腐ったり自暴自棄になりそうなところで踏みとどまってネタ作りできたことなど、自分がお笑い芸人として努力できたことを1つ1つプラスの財産として貯金していく。

 

これは、山ちゃんに限らずお笑い芸人に限らず、誰にとっても効果的なアイディアだと思う。

ノートを1冊用意して、今日頑張れたことを書き留めていく。

 

そして、うまくいかないなーと感じたときノートを見返すと、過去の自分がためた財産が折れそうになる自分の心を奮い立たせてくれるかもしれない。

 

レボログ
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プラスしかないのでこれはやってみるっきゃないね!

そう、読み方によっては自己啓発な本なのです。

 

腐らずにがんばっているといい出会いもやってくる

 

山ちゃんは幸運な男だと思う。

だって、あの人と結婚できたんだし。あ、これひがみです。

 

・大学時代に出会った熱く思いやりにあふれた先輩たち
・大手企業の偉い人で南海キャンディースの大ファンで背も顔もデカい亀山さん

 

彼女にフラれて落ち込んでいる山ちゃんを車に乗せて深夜のドライブ、

そして街の夜景を見ながら

 

「こんだけ人がおるんやから、きっとお前を好きなもの好きだっているやろ。」

と励ましてくれた。明日は就職活動の大事な面接の日にも関わらず。

 

そんなエピソードを読んで心底うらやましくなった。

 

一生のうちに、

そんな先輩と出会える人が果たしてどれだけいるんだろう。

それもすべて山ちゃんの人柄と努力が導いた結果なのだ、きっと。

だからうらやましいとか禁句です、ガソリンに変えるのです、ちゃんと。

 

 

そして、観ている人はちゃんと見てくれているもので、

そのひとりが大手企業の偉い方、亀山さん。

 

もともと吉本のお得意先の会社の偉い方らしいのだけれど、その方が南海キャンディーズのファンで一緒にご飯を食べる仕事のオファーをくれたのだという。

 

いってみると、亀山さんは二人に対し、南海キャンディースのどこがおもしろいのかを熱弁してくれたり。身の上話を聞いてくれたり。

 

そしてその流れで連れて行ってくれたソウルバー。

当時、テレビや劇場の仕事がなかった南海キャンディースは、路上ライブで腕を磨こうとしていたのだけれど、しずちゃんの声が小さく街の騒音にかき消されてお客さんに届かないという悩みを抱えていた。

そこで、音響施設が整ったその場所で定期的にライブをさせてくれないか?と尋ねた山ちゃん。

 

本には、こんな思わぬ行動力を発揮できたのも、吉本の社員に冷たくあしらわれたり、周囲との比較で感じる焦りの感情がガソリンになってくれたからだと書かれている。

 

上手くいかないときでも、ムカつくことがあっても、

腐らずに努力を辞めずに前に進み続ける。

壁が高くて前に進めそうにない時は壁を横伝いに這ってでも歩みを止めない。

 

テレビで見せる安定の立ち回りの裏で、人知れず悩み、試行錯誤を繰り返す姿を想像するとお笑いに対する見方もだいぶ変わってくる気がする。

 

 

レボログ
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というか、最近ハマってるんだな、私。

お笑い芸人が舞台裏でどんな日常を過ごしているかという告白を聞くことに。なんというか…セクシーさ?

 

 

やっぱり山ちゃんは天才だと思う

 

しずちゃんを口説き落とすために(女としてではなく、コンビの相方として)、当時しずちゃんが組んでいたコンビのライブに足しげく通い、

ネタの内容から

漫画の好みや目指しているお笑いの方向性を見極め、万全を期して『話があるから来てほしい』と彼女を呼び出した喫茶店で

「鈴木雅之ってなんかひっかかるよね?※」

「ドラゴンボールで合コンに来たらモテそうなの、ベジータだと思うんだよね。※」

「ジョジョのあの回好きなんだよね。※」

 

※全部しずちゃんの当時のネタの内容から山ちゃんがリサーチしたもの。

 

と話しかけ、3回連続でしずちゃんに「私も」を言わせたて運命を感じさせたり、

そこから畳みかけるようにお笑いの話にもっていき

 

「ダウンタウンさんのDVDのあのコントおもしろいよなあ」

でまたしずちゃんの「私も」を引き出してのダメ押し。

 

こんな秀吉か田中角栄みたいな綿密な根回しというか戦略を練って口説かれたらそりゃー落ちちゃいますわ。

 

レボログ
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あ、でもそのときしずちゃんは山ちゃんにマジで告白されると思っていきたくなかったらしい笑

 

山ちゃんのことを考えてたら、入念な準備という言葉が浮かんできた。

同時にイチローさんの顔も。

 

2人に共通するのは、

・自分のことを天才だとは思っていないところ
・イチローさんは野球に対して、山ちゃんはバラエティー(お笑い)に対してストイックで準備に余念がないこと
・1つ1つ小さな目標設定をしてそれをクリアすることを習慣化していること
ただ、凡人にはなかなかこういうことってできないモノだと思うのです。
一日はできてもそれを何年と続けるには途方もない情熱が必要だとも。
たとえば、ウサイン・ボルトのように超速で走れることも才能だと思う。
でも、けっして止まらずに目の前に壁が立ちはだかっても前に進み続けることができるのも同じく才能なのだと、この本に登場するさまざまなエピソードを読んでいて感じさせられたのでした。
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努力をみせるのって全然ダサくない。むしろカッコいいかも

 

最近私が、カッコいいと思える人。

・自分の弱さを上手にさらけ出せる人
・泥臭い努力を隠さず嫌味なく語れる人

 

 

レボログ
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あ、テストの日に

「私全然テスト勉強してなくって~やばいやばい」

とか言いながら100点とかとっちゃう人種は個人的に敵だと認識します。

 

 

 

ただまあ、この辺はむつかしくて、

弱さをさらすといっても、愚痴っぽくなったりすると鬱陶しいし、

努力を隠さないといっても、自慢っぽくなったらそれはそれでウザい。

 

レボログ
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むつかしいといえば…

 

 

 

その点、山ちゃんはそのどちらも嫌味なくできていて本当にすごいと思います。

これはよほど意識しないとできないはず。まったく気配り上手なんだから。

 

ただまあ、私の中でこれだけ山ちゃんの株が上がったのも、

山ちゃんに興味がわいたのもすべてはあの人と結婚したからなのかもしれないなーとか、フッと思っちゃいました笑

 

生粋のイケメンがそれを成し遂げるのとはワケが違って、そこには1つのロマンがあった。世の男子諸君に勇気を与えてくれた笑

 

思わぬところで人生の成功を手に入れちゃって

(なんか…スイマセン)

と、ちょっと困惑気味に頭をかく姿が想像できる山ちゃんがかく語りきだったからこそ、嫌味もなく、鬱陶しさも感じずにスーッと内容が入ってきたというのはある気がします。

これがエグザイルの誰かとかだったら…

おっとガソリンガソリン。

 

 

というわけで、今回はこのへんで。

 

 

それでは、また。