
ウッジョブ!だってさ(笑)!
ウッド・ジョブのタイトル通り、
都会に住む若者が大学受験に失敗したことをきっかけに、林業の研修生として田舎で1年間過ごすことになり…となると描くはそこでの汗と涙と友情と恋と成長の物語。
まあ、ザックリ言えばそういう映画です。

ざっくりしすぎだろ。
…あ、タイトルのウッジョブが気になります?

私も観る前は結構引っかかってました。
もちろん、グッドジョブと掛けてることは誰の目にも明らかですよね?
だいたい、タイトルでウケを狙おうとする映画にロクなものはない…
実はそんな先入観から、
これまでレンタルショップで何度か目に留まるもことごとくスルーしてきた作品。
私にとって、それがウッジョブだったのです。

タイトルでウケを狙おうとする作品がどうも苦手で。
ただ、この度お友達に勧められまして。

ウッジョブ、どうだった?
に答えるために
とりあえず観てみることにしたわけです。
ただね、結論から言うと、このウッジョブという作品
寒いタイトルの作品にアタリなし!
というジンクスを見事に打ち破ってくれたのです。

ホント、ウッジョブ!
あ、ちなみに、原作は三浦しおんの『神去なあなあ日常』という小説とのこと。

映画きっかけで知った小説。
早速ポチっちゃいました。
最初から最後まで”期待通り”が巻き起こるしあわせ
この映画を一言で言うなら、まさにコレ。
ちょっとした伏線回収まで含め、すべての展開が

この流れだったら、こうなるでしょ!
という期待をひとつも裏切らない。
これって、カンタンなことのようだけど、
製作者としても結構悩むところだと思う。
まさにエンターテイメントのお手本のような作品
映画製作という一大プロジェクトにおいて、
ましてや監督という立場なら、ついつい欲が出て

後世に名を残すような大作を…!
とか思いそうなもの。

それを矢口史靖という人は…。
この作品には、
観るものをアッと言わせてやろうとか、
驚かせてやろうという企み(欲)が一切感じられませんでした(もちろんいい意味で)。
その代わり、最初から最後まで、
林業と田舎をテーマにしたエンタメ作品に観る者が望むであろう展開が

これでもか!
ってくらい本当に盛だくさんでして…。
確か、太宰治が
小説家とは、お客がご所望の料理を望む調理法と味付けによって提供する職業だ。
というようなことを言っていたと思うけれど、
ウッジョブ!という映画は、その点
私がまさにこのタイミングで望む最高の味付けの逸品だったといえるでしょう。

たまに無性にあの中華料理屋の濃い味のチャーハンが食べたくなる…みたいなね。
ただひとつだけ、期待を裏切られたシーン(ネタバレ)
それは、染谷君が水を汲みに沢に降り、そこでふと小さなお地蔵さんを見つけ、
食べかけていたおにぎりを半分に割って供(そな)えるシーン。

お?視聴者に向けたイイ人アピールか?
そんな何の気なしのワンシーンかと思いきや…。
実は、後々これが伏線として効いてくることになろうとはね…。
先ほど、この作品は期待を一つも裏切らないところがすごい!
と書いたけれど、ちょっとだけ訂正。
このシーンからの伏線回収だけは

なるほど、そう来たか!
と期待の上をいかれちゃいました。
ただ裏切られたというのとはちょっと違うかな。
なんというか…ハッピーサプライズみたいな?
嬉しい驚きは…まあ、裏切りとは呼ばないんじゃないでしょうかね(笑)。

とにかくハッピーな気分になりたいんだけど、
おススメの映画とかない?

それなら、ウッジョブがおススメだよ。
もし、私みたいにタイトルで敬遠してるのなら、それはちょっともったいない。
子供から大人まで安心して楽しめる。
そして、お疲れ気味のあなたをきっとハッピーな気分にしてくれる作品ですので。
それでは、また。