いよいよ12月も終わりに近づき、今年も高校バスケ界にとっての冬の風物詩、ウィンターカップ2017が間近に迫ってきた。
今回も、最激戦区と言ってもいい福岡県予選で見事ライバル福岡第一を下し順当にウィンターカップ出場を決めたインターハイ王者・福大大濠の2冠達成なるか
あるいは、
新潟県予選で、伊藤領擁する開志国際が帝京長岡に68-67の1点差で惜しくも敗れ、ウィンターカップ本選出場を逃すなど
地区予選の段階からすでに多くのドラマが展開されていた。
そして、やはり私の注目は何といっても北陸学院の大倉颯太選手である。
大倉「相手の心を折るようなプレイを意識している」
よく、大会の優勝インタビューなどで高校生が答えている様子などをみると、やや緊張した中に、謙虚さと初々しさがない交ぜになっていて、
「この子、いい子やな~。」
と微笑ましくなるものが多い。
ただ、ちょっと厳しいことをいうと、優等生の模範解答のようで、あまり面白くはない(笑
無論、テレビ慣れしていない高校生に、普段から芸人の気の利いたコメントなどで目と耳の肥えた視聴者としての目線をそのまま向けるのは、お門違いなのは言うまでもないのだけれども。
ただ、最近の高校スポーツ界では、先日、日本ハムファイターズへの入団が決まった野球界の清宮幸太郎選手をはじめ、大人顔負けの堂々とした受け答えを披露する若者が増えてきて、何とも頼もしく感じる。
「お前、インタビューでは”頑張ります”とか普通のことを言ったらつまらんぞ。」
幸太郎選手は、父でもあり、元ラグビー日本代表も務めた清宮克幸から、常日頃そうアドバイスを受けていたというが、一流はこの辺から意識が違うのだな~と、深く感心させられた記憶がある。スポーツ帝王学というか、この親にしてこの子ありというか…。
さて、ウィンターカップの話題に戻ると、
いよいよ最終学年を迎え、高校バスケの集大成の場として、気合も入りまくっているであろう大倉選手が、果たしてどのようなプレイを披露してくれるのか、
またあの日のような見る者の度肝を抜くパフォーマンスを見せてくれるのではないかと今から期待が止まらない。
先日、今大会の注目選手として紹介されたインタビュー動画の中でも、
「常に相手の心を折るようなプレイを心がけている。」と
普段、高校生からはなかなか聞けないような、
予想の斜め上をいく強気な発言も披露してくれた(笑。これは、ますます期待が高まる…。
しかし、そうはいっても彼もまだ高校生である。
彼自身のツイートなどから察するに、周囲からの期待や注目が集まる中で、相当の重圧もあったのだろう。
たくさんの応援ありがとうございました!
絶対負けられない責任とプライドにこの半年間たくさん押し潰されそうになりましたが、なんとか勝ちきることができました。県で勝つことが簡単ではない、そういった環境が甘かった自分を奮い立たせてくれました。ウィンターカップ🔥 pic.twitter.com/viBxbeLajo
— 大倉颯太 (@hgbsk6M) 2017年9月17日
超高校級のプレイヤーの宿命として、そして、チームのエースとして、全国のライバルたちから当然のようにマークされ、タフなプレッシャーを背負う中であの発言が飛び出したのかと思うと、
自らを鼓舞し、戦いの場に赴く若武者の凛とした覚悟や意気込みが感じられ、早くもグッとくるものがある。
開幕までは、まだ時間があるのだ…、今からそんなんでどうする…と自分でも困惑してしまうのだけれど、
だからこそ、こういう選手がいてくれるからこそ、高校バスケはいつの時代も、私を魅了してやまないのだろう。
それでは、また。