【FX】固定相場制が抱える”国際金融のトリレンマ”とは?

FX





どうも、タカハシです。

いきなりですが、

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固定相場制のデメリットがイマイチよく分からない(笑)

 

だって、自分たちのいいように貨幣価格をコントロールできるんでしょう?

輸出優先の国であれば、国際的な通貨価値を外国と比べ相対的に安く抑えれば、儲け放題じゃないですか。

 

ただね、それだとどうも周囲の国々からヒンシュクを買いそう…。

 

例えば、日本がかつて鎖国していた時代なんかをイメージすると、ペリーらが使節団としてやってきて開国を迫ったわけですけど、固定相場制のイメージって私の中ではそれなんですよね(古すぎ?)

要は、お前たちだけ独自のルールでやってねえで、オレらのルールに合わせねえと取引してやんねえぞ!と脅されてしょうがなく変動相場制に移行するみたいな。

世界的な基準とはいえ、どうせドルだとかユーロだとかルールを作った欧米の通貨が有利なようにできあがっているんでしょう?

それで中国はこれまでパワフルでしたから、外野の声なんかには耳も貸さずに自国の利益最優先で固定相場制の道をひた走ってきたと。

となると、中国側からすると、自分たちの都合のいいように相場をコントロールできてたわけですから、メリットしかないじゃん?
という気もするのですが…

 

固定相場制のデメリット

(他国の迷惑を顧みなければ)デメリットがなさそうな固定相場制にも、実はしっかりデメリットはあるようなのです。

それがいわゆる「国際金融のトリレンマ」と呼ばれる状態から脱却できなくなること。

コレばっかりは、さすがの中国でも曲げることのできない経済法則…なのだそうで。

 

トリレンマ?何すか、それ(笑)
というわけで、ちょっとだけお勉強してみましょ。

 

国際金融のトリレンマ

 

トリレンマとは、別名不可能の3角形とも呼ばれます。

そして、wikiによると、国際金融のトリレンマという用語は、

の3つを同時に達成することは不可能であるという経済理論を表すものなんだとか。

トリレンマ

下手な図で申し訳ありませんが、

たとえば、今の中国のように固定相場制と独立した金融政策を両立させようという立場(B)に立てば、自由な資本移動は制限せざるを得なくなる、という話らしい。

 

この辺は、こちらの解説がわかりやすかったです。

 

ただ、当初はこれって固定相場制を採用した国だけが抱えるジレンマ…じゃなくてトリレンマだと思っていたけれど、そうではなくて、どんな制度を採用しても、3つのうち2つまでしか選べないということみたいですね…。

例えば、先ほどの図で言うと、日本なんかは、Cの立場に立って、自由な資本移動と独自の経済政策をうつ自由は確保しつつ、その代わりに変動相場制がもつ為替変動リスク(不安定さ)などは甘んじて受け入れている(まあ、わりとよく介入とかするけど)。

それに対して、ユーロ域内に属するヨーロッパの国々は、Aの立場に立ち、共通通貨であるユーロの安定性と為替相場などでの資本移動の自由は確保しつつ、代わりに各国独自の金融政策を講じる自由を制限しているのだといいます。

中国日本ヨーロッパ(ユーロ圏)
固定相場制〇(管理フロート制×
自由な資本移動×
独自の経済政策×

 

要は、これら3つのうちから、それぞれの国が自国の利益に合わせて優先的に2つを採用しているのが現在の国際経済市場ということになるんでしょう。

これまで、人民元の価格を低く抑えることで、輸出を中心に国際競争力を高めてきた中国ですが、今後、高齢化が進み、労働人口が減れば、世界の工場としての地位を他の若い新興国に明け渡すことになる可能性が高いと思います。

また、聞く話によると、2016年11月末の中国の外貨準備は3兆516億ドルでしたが、これはピークだった2014年の4兆ドルに比べて、1兆ドル近くも減っているとの情報も。

それゆえ、今の中国には、人民元を国際貿易に積極的に用いられる通貨にしたいという強い願望があるといわれており、ただ、それを実現させるためには、資本の自由化を進め、変動相場制を導入しなければなりません。

そして、それは資本の流出を加速させるのと同時に、何よりも中国の国体でもある共産主義を放棄することにもつながります。それを今の共産党幹部が良しとするとはちょっと想像できず…。とはいえ、現実的に考えると、中国もずっと”我が道を行く”ではいられなくなってきているのも事実なんですよね。

そもそも、中国が固定相場制から管理フロート制に移行し、人民元を切り上げてきたのも、元はと言えば、不当に安く抑えられている人民元の価格に対するアメリカの風当たりが強くなってきたからで、この流れは、ビジネスマン出身で自国第一主義を掲げるトランプ大統領就任により、さらに加速することも予想され、そうなるといよいよ中国も背に腹は変えられず、近い将来、思わぬタイミングで変動相場制へ移行する日がやってくるのかもしれません。

 

今回のまとめ

中国だけじゃなく、世界の国々はみんな国際金融のトリレンマを抱えている

 

それでは、また。