どうも、タカハシです。
よくFXなどトレーディングの世界では、「9割の人が勝てない、利益を残すことができていない」と言われます。
上げ下げ50パーセントなのに…なんで??
当然そんな風に思われる方もいらっしゃるでしょう。
私も、トレードを始めた当初はそんな風に思っていました。
それで、
「どうせ、確率5割なんだから、適当なところでエントリーしてしまえ!」
と短期足で飛び乗っては高値つかみになり、
そこでついカッとなってドテンをしてしまい往復ビンタ…という目も当てられない惨劇を何度となく繰り返してきました。
感情とトレーディング
ある程度、トレード経験をお持ちの方なら、不安や怒り、強欲と言った感情が、トレードにどのような影響をもたらすのか身をもって体験してきたことと思います。
そう、相場は人間の感情をことごとく逆なでするように出来ているらしい…
それが5年ほどトレーディングに携わってきた私が抱く正直な実感です。
それならば、いっそ感情を持ち込まない方法でトレードしてみよう…。
今思うと、そう思い始めたことが、私が初心者からようやく足を洗う最初のきっかけとなりました。
トレードは頭を使わないほど勝ちやすい
感情に左右されない。
それは言い換えると必要以上に頭を使わないということでもあります。
いろいろな考えが浮かぶとそれに付随していろんな感情がわいてくるものですから、
トレードの最中は、まさに”無の境地”こそ理想といえるでしょう。スポーツの世界でフロ―と呼ばれる状態もこれに近いものだと思います。
ここで、トレーディングにおける頭の良さとは何かについて考えてみると、
それは、例えば、ありとあらゆる事態を想定することであったり、様々な情報を仕入れて知識として吸収する能力として表現されます。
もちろん、勉強熱心なことは悪いことではありません。
しかし、注意したいのは、トレーディングに関する知識の中には、互いに矛盾するものが山のほどあるということです。
トレーディングスクールの生徒Iさんの過ち
以前、私と同じトレーディングスクールに通っていた方で、3か月で100個以上ものインディケーターの使い方をマスターしたという大変に勉強熱心な方がいらっしゃいました。ここでは仮にIさんとします。
「1つのインディケーターで勝てるのなら、2つ、3つと組み合わせれば、より高勝率なトレーディングができるじゃないか!」
おそらくIさんは、そんな風に考えたのだと思います。
ある時、Iさんのチャートを見せていただく機会がありました。
すると、そこには20種類以上ものさまざまなインディケーターが表示されていました。
それで、勝てますか?と尋ねると
「いや、全然なんだ。」
そう悲しそうに、ぽつりと漏らします。
その後、Iさんは講師の方からアドバイスをもらい、インディケーターの数を2つまで減らすことにしました。もともと、私たちが習得を目指していたのもインディケーターをほとんど使わないシンプルな手法でしたので、本来の形に戻したというだけなのですが(笑)。
すると、Iさんの成績は徐々に向上し、月別でも利益を出せるようになっていきました。
インディケーターはお薬のようなもの
インディケーターの中には、トレンドに強いもの、レンジで効果を発揮するものと用途が全く異なるものがいくつもあります。
それらをいくつも同時に動かせば、あるインディケーターは売りだと言っているのに、また別のインディケーターは買いを示唆している、という矛盾した状況に遅かれ早かれ陥ることになるでしょう。
例えるなら、インディケーターとはお薬のようなもの。
適切な使い方をすれば、効果的である反面、飲み合わせ(組み合わせ)が悪ければ望まない結果を生む可能性も多分に秘めています。
なので、相場状況や自分が使う手法に合わせて用法と容量(1画面に表示する数)をしっかり定めなければなりません。
ただ1点、インディケーターはお薬とは違って、それを処方してくれる医師も薬剤師もいないため、すべて自分で調合しなければなりません。
その手間を省くためのシンプルで優位性のある手法は、ネット上を探せばいくらでも見つけることができますが、それでも、あまりにシンプルな手法では、常に余計なインディケータ―を追加してしまう誘惑がトレーダーにはつきまといます。
それゆえ、インディケーターを一つ加えるのにも細心の注意を払わなければなりません。少なくとも10年分以上のデータを使い有効に機能するかどうか確認してから使うべきでしょう。
ある専門家はドル円が上がると言っている、しかし、自分が使っているチャート分析では今が売り時だ…いったいどっちを信じればいいのだろう。
もし、いくら専門家でも他人が言う事と、自分が検証して自信を深めた手法が示す方向性が真逆だった場合、前者は無視して自分の手法の示す方向性だけに集中しましょう。
専門家の予測は、往々にして外れるものですし、もし彼らの分析がことごとく当たるなら、今頃彼らはみな億万長者になっているはずです。
最後に信じられるのは自分と、自らが選んだ手法以外にありません。
結局、5年を経て理解できたことは、トレードで勝つためには、自分が信頼できる手法が1つあればそれでいいということ。
バット2本持って打席に立っても打率は上がらないということです。
いや、それ以前にフォームを崩して退場してしまうのがオチでしょう。
勝っても負けても、ひたすらルールに従う
要は、これだけでいいんです。
ただ、これが簡単なようでとても難しく感じてしまう。
それは、感情があるからで
「これだけ負けたんだから、もうこの手法は機能していないんじゃないか。」
「このトレードだけは何となく嫌な予感がするから見送ろう。」
そんな、もともとルールにないアドリブを勝手にかますから、フォームが崩れて自分を見失うことになる…あ、これ過去の私です(笑)
だからこそ自分への戒めをこめてこうして書いているわけで。
感情も、とらぬ狸の皮算用も、専門家の未来予想もトレードで勝つためには必要ありません。
感情的になることが、あなたの手法のルールに組み込まれているなら別ですが。
そして、余計なことを考えない人ほど、シンプルなルールに従いやすい傾向にあるようです。
逆に、頭のいい人は、
「そんな簡単なことでいいはずがない、もっと複雑にしないと勝てない。」
そう勝手に早合点し、風雪に耐えてきた手法に、自分流のカスタマイズを施して自滅していきます。そんな人の話を今まで死ぬほど耳にしてきました😓
今トレードで悩みを抱えているあなたへ
もし可能なら、一度原点に立ち返って、ごくごくシンプルな手法からトレードを再開されてみてはいかがでしょうか。
トレードがうまくいかない理由は、もしかしたら、あなたが賢すぎることにあるのかもしれません。
とりあえず、いろいろな考えはいったん脇に置いて、シンプルな頭とチャートで相場と向き合ってみませんか?それで見えてくるものがきっとあるはずです。
それでは、また。