【下妻物語】青春をこじらせつつ親友に憧れる深キョンファンに贈る!

映画レビュー

私、青春とか友情とかそういうテーマを前面に押し出した映画って大嫌いなのです。

 

一言でいうなら、

 

思う存分、青春を謳歌した!

という経験がないゆえの青春コンプレックスなんだろうけど、とにかく友情の押し売りとかマジでウンザリする。

 

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この映画もテーマは一応友情のはずが…

 

見れちゃうんです。すごくスーッと入ってくる。

ムカつかないし、嫌味じゃない。

 

なんでだろ?と考えてみるに、私が深田恭子ファンであり、土屋アンナを勝手に心の姐御!としてリスペクトしているから…という結論でいかがでしょうか?ダメですか?

 

とにかく、観ていて飽きない(途中、ちょっとだけコーヒーつくりに離席したけど)。

1つの映画を2時間続けてみることができない私にとっては、5分くらいの離席が1度というのはすご集中して見られた方の映画でした。

 

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舞台は茨木県の下妻。

となると『翔んで埼玉』のように自虐ネタが入るのかと思いきや、少し入る。

 

主人公のJK(深キョン)はロココ調と称しロリータファッションをこよなく愛し、もう一人は絵にかいたようなヤンキー。

 

そんな水と油(天使と悪魔)のような2人が織りなすハーモニーというか…バカで仁義に熱いとか最高ですね。

 

何より、両者の距離感が最高で、

深キョンは、

 

「私は孤独なお姫様で、甘い物だけ食べてロリータファッションのままおばあちゃんになってベットで誰にも気づかれず一人死んでいくの。」

みたいなことを言ってる孤独主義者で動物の死ぬシーンを見ても涙一つ流さないチョイコパス少女だし、

対する土屋アンナは、ヤンキーを絵にかいたような熱さでガンガン土足で深キョンのパーソナルスペースに上がり込むんだけど、深田恭子は熱い友情とかノーサンキューみたいな感じでまったく友情が生まれそうにない。

 

レボログ
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てか、なんで2人は出会ったんだ?笑

 

あ、そうだ、カギを握るのはベルサーチ(ばったもん)だ!

 

ちなみに、深キョンの父親役として、黒い交際発覚前の宮迫博之も出演していて…それも一つ見どころといえばそうなのかもしれない。

レボログ
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(見どころとは)1ミリも思ってないけど、一応世間体を気にして書いてみました笑

多少強引でも、引き込まれるのはセンスとしか言いようがない

 

監督の…?役者の?…たぶん両方でしょう。

 

私が、「ああ、ムリだな」と思う作品って、

友情が生まれる前提ありきでいろんなイベントごとがちりばめられていてそれが胡散臭いし不自然だし…と思ってシラケて途中で観るのを辞めちゃうパターンが多いんですが、

 

この作品にはそれがなかった。

いや、あったんだろうけど、不意にやってくる頭突きや、どう見ても道交法違反からの衝突事故やらの味付けがパンチ効きすぎでそれどころじゃない。

 

でも、最後にはこんなに理想的な関係はないぜ!ってくらい2人の絆は深まっていく…言ってて恥ずかしいけれど、そう思ったのだから仕方がない。ていうかよくあれだけアクロバットな展開から最後よく着地(伏線回収)したなー。お見事!としかいいようがいない。

 

 

一言では言い尽くせない魅力が詰まった作品

 

一言で言える作品ってダメだと思うんです、個人的に。

 

いろんな見方ができて、人によって全く感想が違う…言い換えるとそれだけ深みや多面性がある作品ってことなんだと思うけど、つまり人間(とそれにまつわる人生、暮らし)を描けてるってことだと。

人間の営みって一言では言い表せないですもんね。

 

この作品自体は、シリアスでもなくむしろ全体を通してギャグテイスト満載なんだけど、ストーリーに深みがある。まさに甘くて辛いカレーみたいだ。

 

そこにきて、主役2人の輝きたるや。

もう深田恭子も土屋アンナもハマり役過ぎていうことが無い…惚れ惚れする。

 

おまけに、ジャスコネタとか地方民ならクスリとくる小ネタもチョイチョイ挟まれてくるし、荒川良々が天才的にいい味だしてくるしで、きっと脚本は宮藤官九郎だろ?と思ったら違ってました。

 

レボログ
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眼帯と樹木希林…部屋とワイシャツと私、以来の衝撃だったかも。

 

 

総評:女の友情を描いた作品として過去イチ!(ネタバレ)

 

やっぱり、私はあらためてキラキラした友情モノって嫌いなんだな、と思いました。

 

青春の過ごし方ってこれが正解なんですよ!

みたいな薄っぺらい価値観の押し付けにウンザリしますので。

 

ただ、この映画の不思議なところは、かなりストレートに女の友情を描いていそうなのに全然嫌味じゃないところ。むしろ、心からそれを賛美できる。青春最高!みたいになれる。これは1つの軌跡なんじゃないだろうか…と思ってます。

 

最後まで飽きさせない展開も見事だし、まさか…あんな展開になるなんて。深田恭子が姉さんになる瞬間…あれはカタルシスでした。

 

余談:真木よう子はどこにいたのだろう?

 

最後に、ストーリーとはまったく関係のない話ですが、

映画のエンドロールを見ていたら、真木よう子の名前が…え?いた??

 

SPでその巨…も含めた美しさとか圧倒的な存在感とかに撃ち抜かれたまま慌てて「ベロニカは死ぬことにした』を借りに行った身としては、彼女が現れれば秒で反応するはずなんですが…ヤンキーの中の一人とかだったのかな?

 

とりあえず、真木よう子を探せ!というミッションをクリアすべくもう1度見ることになるかもしれません。

 

深キョンファンのあなた。土屋アンナが嫌いじゃないアナタ。そして真木よう子出演作品ならどれも見逃したくない!というアナタのための映画。

 

ぜひ。

 

それでは、また。