すれ違ったまま、少年から社会人になった息子と、還暦を迎えた父親がMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』をプレイしながら失われた時と絆を取り戻すお話。
オンラインゲーム×息子×親父という、
個人的にはだいぶ刺さるテーマながら、ありそうでなかったタイプのストーリーで…しかも実話ベースと聞いて驚きです。
※ネタバレ含みます:実は実話ベースだった
劇中ではお父さんが病気になってしまうのだけれど、
実際には、映画原作を手掛けるマイディーさん(息子さん)の方が癌で他界されているそう。

ご冥福をお祈りします。
残された日記を読むと、マジで最後の最後までゲームにログインし続け、
MMOを通して生きている証を残し続けていて、NOゲームNOライフ!な生き方に震えた。
それとともに、ゲームって時に現実を超える体験になるんだなと、強く強く胸に迫ってくるものがあった。
たとえば自分のことを振り返ってみても、
子供の頃に父と対戦ゲームをして必殺技が出せるまでずっと待っててもらったり、
父がバイオハザードをプレイしているのをこわごわ後ろから見ていたりしたのは結構いい思い出だったりする。
「今日こそ、2時間でクリアするぞ!」
と仕事帰りの父が楽しそうに語っているのを聞きながら当時のボクはすごくワクワクしていた。
ゲームだからこそ、本音で語り合える
「ゲームって不思議だね、ここではみんな本音で話せるんだから。」
映画の中で登場するとある人物(キャラクター)が発した1言は、もしかしたら、オンラインゲームにハマるすべての人の代弁なのかもしれない。
老若男女問わず、
立場や境遇を問わず、
美しい世界で、苦楽を共にし、強敵に立ち向かって打ち倒す。
その体験を振り返ったときに、きっと人はそれを現実と同じように
あるいはそれ以上に濃密な体験として思い出すに違いない。

そんなじじいに、私はなりたい
ゲームがあったから、一歩が踏み出せた
映画のクライマックス、倒れて運び込まれた病院から秒で抜け出すお父さん。
だって、フレンドたちと今夜9時に強敵ぶっ倒す約束したんだもの!
そう。滝に打たれながらスクワット1000回してきたのは、
攻略動画を見漁って公園で若い親子連れに
「こら!見ちゃだめ!」
と変人扱いされながらエアーコントローラーでイメトレした日々は…
そんな喫緊の思い出を胸に携え
最強の強敵を倒すために、いざ到着を待つパーティの元へ!(とはいえ、腹が痛くて家まで帰れないのでネカフェでゴー!やがなby親父)。
ここから時は多分2時間くらい流れ…あ、息子さんも無事合流し
そしてついに、親子そろって見事最強の敵を打ち倒し、※マイディーは自分が息子であることをお父さんの※インディージョーンズに告げる。

戦いに挑む前、息子さんはラスボス倒したら自分が息子であることを父に伝える!とあらかじめギルドメンバーに宣言していたのでした。

そもそも、父上との楽しい時間を再び…という期待をもってPS4とソフトを還暦祝いと称してプレゼントしたんだったのう。息子さん
驚いた後、
「今度は一緒に倒せたんだな。」
とお父さんの会心の一言が胸にぶっ刺さるのなんの。
もうここから、
少年時代に
「一緒にラスボス倒そうぜ!」
と言いながら果たせなかった約束のこととか…
その約束をずーーっと自分に全然興味ないと思ってたお父さんがずっと覚えてくれてたんだ…とか
息子っちの走馬灯(回想シーン)が始まったりなんかして、
ボクの涙腺も無事崩壊だぴょんw
こうして、息子さんの願いは見事に叶えられたのでした。
それだけだって十分感動的なんだけど、それだけにとどまらず。
ゲームでともに強敵に立ち向かう日々を通して、
息子さんは
お父さんは
なんということでしょう!
ゲームでの成功体験がリアルでの立ち回りにもいい影響がもたらしたのです!
もうね、この映画を見終わったら世のお母さん方はおいそれと、

ゲームばっかりしてるとロクな大人になれないよ!
なんていわせないよ!
ということで良い子と元良い子は今すぐお母さんにこの映画をプレゼンすべしw!
ゲームを通して親子の絆を…ゲーマーの1つの理想かもですね

もちろん、この映画のようにうまくいけばね
一緒にチーム組んで、PVPでボロ負けして険悪ムード…とか目も当てられないから。
やっぱやるならMMO一択かも。
しかも息子側はかなりの手練れであることが求められるであろう、もちろんお父さんが手練れも可。
なんにせよ、息子さんが海外に転勤しても変わらずゲームの世界で交流する父と息子ってのはステキな光景ですね。

余談だけど、この物語の妹さんとお母さん、ゲームに理解ありすぎです
とりあえず、また1ついい映画に出会えました。