先日、とあるワイドショーでモト冬樹さんが
「スズメのヒナがカラスにイジメられてたんで保護した」
と役所に届け出たら
役所の人に
「鳥獣保護法違反なんで、元の場所に返してください」
と返答されて憤慨したという話を披露されてました。
モト「いやいや、だってスズメ食べられちゃうよ?」
役所の人「はい、ですからその様子を見守っててください」
という昔話もびっくりなやり取りがあったという話。
これ子供の頃に絵本で読んだ寓話とかなら、
スズメを助けた結果、御殿かどっかに招かれて手厚いおもてなしを受けましたとさ、となるところでしょ?

とボクも思います。
それが現代では、そもそもスズメを家に連れ帰ること自体が違法らしい…

ん?ババ…おばあさんに虐待されているスズメは助けてOK?
とりあえず、あの有名なスズメの恩返し的な絵本に
注釈で、
※スズメを家に連れ帰るのは法律で禁止されているからやめてね!
なんて書いてあったら…しらけるよな。
鳥獣保護法なんなん?趣旨を教えろや!!
このか弱き生き物を見殺しにすべし!的なパッと見FU〇Kな法律ですけど、
改正されないところを見ると、何か制定されたのには深い理由があるんでしょ?
と思って30分くらいググりまくった結果、
今回一番納得がいく説明をしてくれていたサイトを載せておきます。
本当の意味でスズメを助けるってどゆこと?
「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」→通称”鳥獣保護法”によると、野鳥の捕獲および飼育は法律で禁止されているそうです。
法律で禁止されているからダメなものはダメ
じゃ、説明として納得感ゼロなので、
なんでなん>?と思ってたら、山形県の説明がわりと腑に落ちたという運び。

すごくコンパクトにまとまってて2分もあれば読める内容なのでぜひ目を通していただけると。
では、ここからその説明を僕なりに振り返ってみます。
1.適者生存こそが種全体の繁栄につながる
まず当たり前のこととして、自然界では
動物のヒナがほかの捕食動物に食べられるというのは避けられないという事実があります。

いわゆる弱肉強食ってやつか。
もちろん、目の前でまだ目も開いていないようなスズメのヒナがカラスに食べられるという残酷な現場を目撃したら
だいぶトラウマになっちゃいそうで何とかしたい!と思うのは人情ですが、
その目の前の現象1つを未然に防いだところで
想像力を働かせれば、自分が関与しないところで同じような被食・捕食の連鎖が無限に繰り広げられているのは容易にわかることでもあります。
また、生態系の仕組みというのは驚くべきもので、
スズメにしても
そうやってカラスらにヒナが捕食されることを見越したかのように圧倒的な数の子種を卵から孵化させるし、その中で捕食者の魔の手から逃れる幸運と勘の良さを備えたタフな個体だけが成長し生き残っていきます。
その結果、優秀な遺伝子がのちの世代に継承され、種の保存に好影響を与えるという予想以上に深い話だったのです。
見捨てるのはかわいそうだけど…
よくあるたとえ話として、
10人乗りの船が沈みそうで、助けに着たボートに9人しか乗れない…あなたならどうする?
というのがあります。
ま、今回のスズメの話とちょっとずれるかもしれないけど、
たとえば、目の前のスズメがかわいそうだから、自然の摂理に抗ってでも助けたい!
という感情って、9人乗りのボートに無理やり10人乗せて誰一人死なせたくない!
っていうのと似ている気がしたんですよね。

ま、これが人情だし道徳的な気もします。
ただ、結果的に、ボートが人数超過で沈んで全員溺死しました…となったらどうなんだ、本末転倒じゃねえか!となるのと同じで、
目の前の、本来は自力で生き延びる能力のないヒナを助けた結果生態系のバランスが微妙に狂ってスズメの種全体にとっては悪影響を与えるなら…と考えると、
果たして目の前のスズメを

可哀そう・・・
を理由に救うことが正義なのかどうかちょっと微妙になってくる。
とりあえず、ボクがモトさんと同じ立場だったら、
親に見つけてもらいやすいように枝にとまらせておく
くらいにとどめて極力自然界に介入せず、自分の良心もギリギリ納得させる選択肢をとることにしようかな。いや、餌になるものをちょっと置いとくのも…なんとも悩ましいですね。

優しさって何…って感じだな
2.スズメのヒナを育てるのってガチで大変だぜ?覚悟ある?
先ほどの山形県のHPによると、
スズメでは一回の繁殖で4,200回もヒナに餌を運んだという例が報告されているらしいです

…ガチ。
昔、ボクの実家にも、毎年5月ごろツバメが巣を作ってたりしましたけど、
親ツバメはマジで一日中、餌を運んできては飛び立ってを繰り返していました。

あれを、やる覚悟がお前にあるのか?
と自問自答すると、正直まったく自信がありません。
てか、たぶん物理的に無理です。
というわけで、スズメのヒナを育てるのは、カブトムシを飼うのとはわけが違う
ということですね。
3.野生で生きていけないヒナに未来はないよ?
仮に、100歩譲ってボクが一日4000回の餌やりをやり遂げたとしても…
親鳥の一番の仕事、野生で生きていく術を教える、は絶対にできない自信があります。

だって、鳥族のルール知らないし。

鳥人でもねえしなw
スズメが小雀くらいになるまで餌やりをして懐かせたら、

もう自由に羽ばたいていいんだよ!
といったって
きっと生きるすべを知らないまま、
野生の勘も働かずに即ゲームオーバーになってしまうよ…
それって、むしろヒナの頃に見殺しにするより残酷なことな気がするわけです。
結論:自然界のシステムは偉大だから思いつきで介入すんな
というわけで、この記事の結論としましては

ここは涙をのんで生態系の偉大さにゆだねるしか・・・