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邦画の最高傑作。
そんな言葉も決して大げさじゃないな、と見るたびに毎回頷いてしまう、
ボクの中では邦画を代表する作品の1つ。
あらすじ+舞台裏の話をちょっとだけ(ネタバレふくみます)
ちなみに、この映画、冒頭から松雪泰子のキレッキレのダンスからスタートするから、きっとダンス経験者をキャスティングしたんだろう…と思いきや、
実は、あえてダンス未経験の俳優ばかりをキャスティングしたんだそう。

しずちゃんが未経験だろうことだけは最初からわかってたけど…
そもそもこの映画は、
昭和40年(1965年)、大幅な規模縮小に追い込まれ危機的状況に陥った福島県いわき市[注 1]の常磐炭鉱を舞台に、炭鉱で働く人々が職場を失う現実・苦悩に立ち向かい、町おこし事業としてを立ち上げた常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生から成功までを実話を元に描く。-wikiより-
とあるように、実話ベースのストーリーで、
プロデューサーの石原仁美さんも、当初ドキュメンタリーを見たことがきっかけで映画化に踏み切ったという。しかも最初の構想ではプロジェクトXのようなバリバリのドキュメンタリー映画として…
ただ、取材を進める中で、ダンス素人たちを集めるところから始まったフラダンスチームに惹かれ、エイ!とばかりに180度題材を変更した結果、フラガールというエンターテイメント色の強い映画に仕上がった。

もう、その英断があってこその映画よね
また、もともと実話ベースなので、原作などは存在せず、脚本づくりに3年もの年月をかけてようやく制作に漕ぎつけたという苦心の作でもある。
さらに、
実話と同様に素人の女の子が数ヶ月に及ぶ厳しいレッスンを共にして気持ちを1つに通じ合わせることでいい映画を作り上げたいとの思いから、主役の松雪泰子・蒼井優から台詞のないダンサー役に至るまでダンス経験のない女優をキャスティングし、全員が一からダンスのレッスンを受けて撮影に臨んでいる wiki より
という気合の入りよう。
もちろん、エンタメ映画だから脚色や演出は入って当然なんだけど、
ダンスのシーンだけはカットなしの長回し定点カメラの映像でお送りするな…と気にはなっていて、
でも、だからこその緊迫感や臨場感がひしひしと伝わってきて、
まるでダンスコンテストのライブ映像を見ているかのようだと感じた。
こんな感想を持ちつつ、
舞台裏について理解を深めるとなるほどそうだったのか…と
あえて定点でライブ配信のような見せ方をしたのも深くうなずける。
フラガールの皆さん「鍛錬に鍛錬を重ねた私たちのダンス!見て!いや、見なさい!」

ハイ!

さては、お前Mだな?
若者の情熱がしっかり遂げられるストーリーが爽やかで心地いい
映画に限らず、物語には2種類あって、
1つは視聴者の期待を裏切るもの(いい意味でも悪い意味でも)。
そして、もう一つは視聴者の期待に100パーセント応えてくれるもの。
フラガールという映画は、
まさに後者の代表的な作品だと思う。期待への応え方は100パーどころか120パーセント。
とはいえ、基本うまくいきそうにない北国でハワイアンなフラガールを盛り上げようぜ!という
プロジェクトでご都合主義にならずに視聴者の期待に応えるのってかなり難易度高いと思うんだけど…
ましてや舞台は昭和40年代の炭鉱町と、いかもに閉鎖的で
夢見がちな若者には肩身の狭い場所だったに違いない。

実話という後ろ盾がなかったら、若者の希望を打ち砕く頑固おやじがひしめき合う田舎町であのハッピーエンドを死守するのはさぞ強い意志力を求められたことだろうな…とか思う。
その中で、偏見や慣習の逆風に時に涙しながら、少女たち(妙齢のご婦人たち)が町を盛り上げようと奮闘する姿は見ていて胸が熱くなること間違いなし。ご都合主義なんてとんでもない!
ボクが子供の頃に、この映画を見たときには、

蒼井優って女優さんキラッキラしてんな~
としか思わなかったけれど、
年月を経てみてみると、
フラガールプロジェクトに携わった人たちや、
陰ながら支えてくれた家族の姿がより印象深く、

豊悦かっけえな…
という感想が加わることとなった。
次に、また20年後に見るときには、きっと違った感想になるに違いない。
それだけいろんな見方ができる映画で、ただそれでもどうしたって見どころは蒼井優のソロダンスに違いないんだけど(笑)
やっぱり最高にキラッキラ輝いてました!20年後もきっと。