朝目が覚めたらホラン千秋似の美人に生まれ変わってちょっとタイに自分探しの旅に出かけた女子大生に…そんな気分を味わえる。
見る人によってはそれ以上かもしれないけど、けっしてそれ以下ではない映画。
それが『プール』。

プール本体のほうススメてどうする!

ヤベ…間違った…
まず、映画の冒頭から
「ここは天国ですか?私は死んだのかな?」
と一瞬目を疑いたくなるような素敵なコテージがあなたと私をお出迎え。
加えて、南国の空気感の漂う中、滞在するコテージにはセレブ御用達のプライベートプール(かなり立派)が備え付けとくれば、あとは他に何を望みます?

物価の低いタイだからこその贅沢なのか…寒い時期にはとにかくうらやましくて仕方がない。
人生って自己中くらいでちょうどいいんじゃない?(ちょっとネタバレ)
この映画は、小林聡美&ちょっとホラン千秋似の女優さん演じる娘サヨの親子関係を軸に展開される。
捨て犬は拾っちゃダメとか、
家族を置いて好きな国で暮らしたらダメとか、
そういった日本じゃアタリマエのダメ!を
「ま、いっか、なんとかなるでしょ。」で全部OKにしてしまうゆるさ(空気感)がこの映画最大の魅力であり、心地よさと言えるでしょう。
自由奔放だけど芯が強い女性とその娘さんの物語

あ、多分主役は娘さんの方ですね。
NOと言えないだけでなく、NOと言われるのも苦手な日本人ならではのしがらみを
いとも簡単に(ではないかもしれないけど)クリアしてタイで自由気ままに暮らす女性を演じるのは我らが小林聡美さん。
ホラン千秋似の娘さんに
「なんで私を置いてタイに行っちゃったの!?」
と詰め寄られて
「だって、その時はそうしたかったんだから仕方ないじゃない!」
と開き直る姿…あれはこの映画のハイライトシーンの1つかもしれない。
もちろん、自己中だと確実にそれを心よく思わない人(家族含め)というのは出てくるわけだけど、
じゃあ、その人の気分を害さないように気を使ったからってその人が自分を幸せにしてくれる保証なんてないし、いわゆる、損するいい人で終わる可能性も高い。
自分を幸せにするのは自分だし、そうやって幸せになった自分が、誰か別の人を幸せにするのなら、
思い切ってわがままを押しとおすべきタイミングってあるんじゃないだろうか、人生のどこかで。
そんなことを思わせてくれた映画でした。
とりあえず、こんな人におススメ
この辺りに心当たりがあるなら、観ておいて損はないかなと。
今までタイでの暮らしについて具体的に考えたことはなかったけれど、
この映画きっかけでタイの文化や街並みの美しさに興味を惹かれたし、機会があればぜひ一度は訪ねてみたいと思わされるだけの魅力が詰まった映画でした(個人的にロケ地巡りとかしてみたい)。
寒い日に、90分でプチトリップ気分を味わいたい方はぜひ。