今回は、先日バガボンド29巻を読み返して思ったことのメモ(覚書き)。
テーマは、やっぱり弘法は筆を選ばず
的な発想は大事だよね、ということ。
さて。では、さっそく気になったシーンについて。
あるとき、小次郎が身を寄せている本阿弥光悦のもとに小倉細川家家老・岩間角兵衛という人物が訪ねてきます。
目的は、一流の刀鍛冶でもある光悦に自分の所有している刀(菊一文字)を研いでもらうこと。
実は、この角兵衛さん。
自他ともに認める刀剣マニア。

ただし、お約束どおり剣の腕前の方は微妙(本人談)だそうで。
ただ、当の光悦さんはというと、
(こいつの刀研ぐのか…気乗りしねえなあ。。。)
という感じでなかなかいい返事をしません。
刀を研がない理由として本人は「引退したから」
と言っていますが、一方で武蔵をはじめ自らが認めた人物の刀ならいまだに喜んで研いでいるのだから、やっぱり言い訳だったのでしょう(笑)
それと時を同じくして、
光悦邸の庭先では、ある男が軒先に置かれた2本の木の棒を物珍し気に眺めている。
そして、それを手に取り、23回振ってみてすぐに、
(ああ、これはいい稽古になる!)
と理解する。
彼の名は、小川。
先ほどの岩間角兵衛さんが藩でも一番の剣の使い手として同行させていた人物だったのです。
そして、小川は、そこで奇しくも佐々木小次郎と出会う。
(こんなところで、人生の一大事が待っていようとは…!)
と小川の方は思わず武者震いしますが、
一方の小次郎はというと、
(お、いい遊び相手がきた・・・!)
くらいにしか思っていなかったような。
二人の使い手が顔を合わせれば、当然刀を交えるのが性…
まあ、今回は幸い木の棒ですけど。
とはいえ、結果から言うと、全国レベルの剣豪相手に、
小次郎はただの棒きれ1本で圧倒し、瀕死の状態(心停止)にしちゃいました。
(ただの棒きれのはずなのに、まるで丸太で突かれるような重さがある…どうやってこれほどの重さを木の棒に・・・?)
小川が終始そんな驚きを隠せないほど、
小次郎の技量は圧倒的なものだった・・・。
気づいたら刀剣マニア化してない?
角兵衛が、自らが振るうわけでもない名刀の研ぎに躍起になっている一方で、
本物の剣客がどこにでもある木の棒1本で、猛者を圧倒している。
こうなると、どうしても

角兵衛さん・・・ダサない…?
と思えてくる。
ただ、正直、角兵衛さんを笑うことはできません。
だって、
自分自身や周りの人たちを見渡すと、
本人は気づいていないまま刀剣マニア化しちゃってるケースは決して珍しくないから。
まあ、弘法(その道の名人)にはなれないと、心のどこかで思っているから、
筆選び(刀集め)に躍起になるということもあるのでしょう。
それでも、1ミリでも上達へのモチベがあるうちは、

きっと木の棒でもなんとかなるはずだ!
てか、木の棒が悪いんじゃねえ!
そんな、
弘法マインドをキープしてたいな、なんて思ったのでした。
それでは、また。