ネタバレはよくないという風潮がよく分からない

エッセイのようななにか

 

「これは、ネタバレになるので控えるが・・・」

いつの頃からか、よくこんな言い回しを目にするようになった。

 

え?ネタバレってしちゃだめなの?

なんで?

 

たとえば、私がある本や漫画、あるいは映画のレビューを依頼されて、原稿料などが発生した上で販促目的で記事を書くのであれば、その内容に話の主たる内容やオチを含めるのはヨロシクないというのは理解できる。

 

ただ、そうではなく、純粋に利害関係の外側にいる人間が、

自分の感動や混乱した気持ちを自由に表現する場(個人の運営しているブログなど)において、その思いを表現するという目的の元において、暗にオチやネタバレに留意するようにという自主規制のようなものを働かせるのがジェントルメンたるもの、みたいな風潮がどうもよく分からない。

 

別にいいじゃん。好きに書いたら。

まあ、せいぜい

※この記事にはネタバレを含みます

くらいの注意喚起を促す一文でも添えておけば。

ネタバレが嫌いな人は、これ見たら回れ右して帰ればいいんです。

 

ただ、本当なら、そんなおことわりすらまどろっこしくて鬱陶しくて仕方ないと思わないでもないけれど、まあ、2秒くらいで書けることだし、ま、いっか(笑

 

そもそも、ネタバレ上等で書く場合は、まだその作品に触れていない人には最初からリーチしていなくて、むしろガッツリその作品に入り浸ってグデングデンに出来上がった中毒者みたいな人に向けて書いているという趣が強めで、

「そうそう、俺が言いたかったのは、それなんだよ。よく言ってくれた!おかげで今夜はスッキリした気持ちで寝られそうだよ。」

とか、言われたらちょっとうれしいというか。

 

「てめえは全然わかってねえ、そこんところはこういうことだろ!」

なんて、怒りやヒンシュクを買ったりしてニヤリとしたいわけで。

 

そういう、何らかの作品に触れた際の、自分の中の何かを激しく揺さぶられた体験をしちまう時っていうのは、

厄介なことに、大抵、その作品のコアとなる内容やメインテーマとなる部分に共感したり、強く反発したい気持ちが芽生えたりするもので、それを誰かに理解してほしいという欲求が湧き上がってきたから、書くというか。書かざるを得ないというか。

…それもちょっと違うか。

何らかの形で文字にすることで、たまった老廃物を排泄したいみたいな感じか。

 

いい時は、号泣&鼻水垂れまくりで、

ハズレの時は、なんかずっとモヤモヤした気持ちが残ったまんま。

 

そんなとき、

なんで自分は泣いたんだろ…?

なんでずっとモヤモヤしてんだろ…?

 

みたいなことって、じつは、自分でもよく分からないんですよ。

だから、文字にするしかないんです。それ以外の解決策を私は知らないので。

 

もっと正確に言うと、

その正体に当てはまるような言葉を必死に探してる感じ。

 

あ~、これかな、いや違うな。

こっちかな、お、ちょっと近いかも。

 

そんな風に右往左往しながら、その強い感情の故郷みたいなところに、感情が冷えきってしまわないうちにたどり着こうという試みなわけです、

ちょっとカッコつけて言うとね、書くことは。

 

そして、その道なき道を進んでいくような、先の見えない断崖をクライムしていくような高揚感は、個人的に、嫌いじゃないわけです…まあ、しんどいけど(笑

 

いずれにせよ、目的はどうであれ、感動やフラストレーションを文字にして吐き出す場合には、ある種書いている方ものっぴきならないわけで、もう、ネタバレがどうとか気にしている場合ではないのですよ。

 

たとえは悪いけれど、別にオ〇ニーに他人からみた格好良さなんていらないでしょ?

自分が気持ちよくなりたいからやってるわけで、それと一緒。

 

ただ、文字は後々まで残るもので、自分以外の誰かにも、自分の知らないところで何らかの感情を引き起こす作用もあるものだから、それが興味深くてやっているということもあるといえば、あるのかな。

 

誰かが、

「私は、書かないでいると、頭の中のメモリーがいっぱいになって、パソコンでいうと、同時に何窓も開いているような感じで処理速度が大幅に低下してくるのを感じるので、常に脳内を洗浄するつもりで書き続けている。」

 

みたいなことをつぶやいていた気がするけど、まさにそんな感じなのかもしれない。

だから、誰が読もうが読むまいがとりあえず、書くわけですよ(笑

アナタがトイレに行くのと同じ感覚で。

 

あれ?これって何の話だったっけ>?