「マルチタスクってなんかデキる奴みたいでカッコよくね?」
ちょっと前まで、ビジネス書界隈で、そんなマルチタスク推奨派がモテはされた時代がありました。
カ〇マーとか、勝間ーとか(言うてもうてるやん)、
一時期話題になりましたっけ。
確かに、
PCでも一度に複数のタスクを同時に処理するには、ハイスペックが求められるし、スマホが普及したとはいえ、まだまだPCでの作業が当たり前の時代にあっては、そこから帰納法的に、
出来る奴≒マルチタスクもこなせるヤツ
という定式を導き出したとしても不思議じゃない。
ただ、実は、マルチタスクって全然効率がよろしくないらしいのです。
というか、むしろ非効率過ぎてアカンらしい(!)ということをメンタリストDaigoさんの動画で教わりまして。
私などは、今まで
本を読んでいて、ブログのテーマを思いついたら中断してちょっとブログ書いて、またしばらくしたら本に戻って…で、その後ちょっとゲームのことが気になって調べ物をして…みたいなことをよくやっていたのだけれど、振り返ってみるとあまり作業が進んでいないし、本の内容も頭に入っていないし、ブログの下書きも全然大したことないし…みたいなことが起こりがちで(苦笑
やってる本人は割と一生懸命やってるつもりなのに作業は全然進んで無くて…にもかかわらず心地いい疲労感だけはあるもんだから、進捗状況のショボさにもう首をひねるばかり。
これって、まさにマルチタスクの弊害がモロに現れた典型的なやつですよね。反省反省。
ただ、シングルタスクが脳の仕組み上スバラシイことは分かったけれど、それでもいくつか疑問は浮かぶわけです。
疑問その1.”飽き”の問題はどうする?
一つのことを集中して行うことで生産性が上がることは分かりました。
ただ、そうだとしても、一つの事ばかり行っていると、どうしても”飽き”てしまうんじゃないでしょうか?そして、つい他のことがやりたくなってくる。
その場合は、それでもシングルタスクにこだわるべきなのか、それとも飽きたものは一度中断して、モチベーションや興味関心の高いものに取り組んだ方がいいのか。
つまり、飽きによる集中力の欠如を考慮してもなお、シングルタスクはマルチタスクより効率的なのかという疑問です。
これに対する明確な回答はありませんが、
動画の内容などから私なりに出した結論としましては
要は、今自分が何をしているか明確にし続けること。
が大事なのだろうと。
そのために、たとえば机の前にタスクをひとつだけ書く”なうメモ”を用意しておいて、今取り組んでいる作業を明確化しておくとか、地味だけどかなり有効だと思う。
マルチタスクは、内的要因が大きい
とはいえ、
家事しかり、突然入った急用しかり
人生には、タスクを中断させられるアクシデントはつきものですよね。
そのたびに、
「あ~俺のシングルタスクが~」と嘆いていたら、ハッキリ言ってやってられません(笑
そこで、シングルタスクの問題を、取り組んでいる作業そのものから、それぞれの作業に取り組む際のマインドセットの問題として捉えてみるのはいかがでしょうか。
つまり、もし仮に細切れにしか作業時間を確保できなくても、それらに取り組むときは、短時間でも常に今やっていることに100%集中する!という意識を持つという事です。
仮に、電話で”ブログを書く”というタスクが中断されたら、まずは電話対応に集中してさっさと片付ける。そして、戻ってきて、また100%ブログを書く事に集中する。
っていうと、
これって要は切り替え上手になろうって話な気がしてきました。
一番よくないのは、一つのことをやりながら、他のことを同時に考えることで、
マルチタスクによって生産性が下がるばかりか、常に二つのことを同時並行的に処理することで脳の疲労も溜まりやすいなど、良いことなしです。
疑問その2.多動力ってマルチタスクじゃないの?
ホリエモンや高城剛さんの本などで、最近、何かと話題の多動力。
もともとは、落ち着きがないなどネガティブなイメージのある多動症という言葉を
ビジネス向けにポジティブ変換した点が多くのビジネスマンに受けたのでしょう。
多動力とマルチタスク。
どちらも多くのシゴトを同時並行的に進めている点では、似てます。
ただ、ホリエモンが非効率的に働いているようには見えませんよね。
つまり、
ホリエモンの言う多動力は、同時に多くのシゴトをこなしながらも、その一つ一つに集中する。そして、ある一定の段階までは終わらせてから次に移行していく。
といったものなのだというのがDaigoさんの解釈ですが、
ここでも、
ポイントは、いかに一つのことに高い集中力を向けられるかどうか。
マルチタスクでは、これが決定的に欠如しています。
なぜなら、多くのタスクをこなすことで、タスク同士が干渉し合い、どうしても集中力を削いでしまうから。これは脳の構造上仕方のないことなのだそうです。
なので、結論としては、
生産性を向上させたいなら、多くのことをこなさなければならないときほど時間を区切ってそれぞれに集中し、シングルタスクとして取り組むべきということになります。
脳はマルチタスクに対応できない
ということが最新の脳科学の研究で明らかになったのだそう。
たとえば、テレビを見ながら、スマホで作業をする。という場面。
これは、二つのことを同時並行的に行っているようだけど、脳は、絶えず高速で
テレビ→スマホ→テレビ→スマホ…
を繰り返しており、作業が絶えず中断され、集中した状態など望むべくもないのだとか。
脳も疲れるということを意外と意識していない
マルチタスクをしていると、シングルタスクの場合より、確実に脳が疲れます。
これは普段パソコンで作業している方なら、イメージしやすいのではないでしょうか。
そして、脳の疲労度と集中力は密接に関連しているので、マルチタスクは集中力を維持するのにむいていないのは、当然といえば当然。
マルチタスクがOKな場合
ただ、けっしてマルチタスクが全部ダメ!というわけではありません。
たとえば、ランニングしながら、音楽やオーディオブックを聞くというのはマルチタスクしても構わないケースだそうです。
つまり、どちらか一方が半自動(無意識)で行えるようなものなら、もうひとつに集中することでほぼシングルタスクで作業しているのと同じような集中状態を維持することができるということ。
ただ、走ったり散歩してる状態というのは、一種の瞑想状態でもあるため、そこに他の作業をぶち込んでしまうと、閃きやアイディアを得るチャンスを逃してしまう可能性も…ってこれはまた別の話ですね(笑
疑問3.音楽はOKなの?
よく「音楽を聞いた方が勉強がはかどる」という人がいます。
では、マルチタスクに”音楽を聴きながら”は含まれるのでしょうか?
確かに、音楽を聴きながら書き物をすると捗るような気がしないでもないですが…脳科学的には、どうなんでしょう。
音楽と作業効率の関係に関しては、山ほど論文が出ており、その中から2000個の論文を分析した人がいて、その結果分かったのは、
論文の半数は、音楽は作業効率を下げると結論付け、もう半分は音楽は作業効率を高めると結論づけていた、ということ。
それじゃ、結論にならねえじゃねえか(笑
というと、実はそうでもなく、その内訳をみると
タスクの中でも、読解や計算など深い思考を求められるものでは、音楽は集中力を奪う傾向にあり、一方で、トレーニングやランニングのような、習慣化され、それほど頭を使わない分野に関しては、音楽が効率や集中力のアップに役立つ
という結果が得られたそうなのです。
本を読みながら、ラジオは聞けない。
散歩しながら、落語は聴ける。
例えがアレですが、なんとなくイメージできますね(笑
今すぐマルチタスクをやめるべき決定的な理由
最後に、これだけお伝えして終わりにさせていただきます。
本来ブログというのは、他者の目線を意識しながら、未来の自分を啓発する目的で知識を残す意味あいのあるもので、記録により脳のメモリを少しでも節約しようという…いわばこれも思想的にはシングルタスクと似たようなところに位置しているのかもしれません(書いててなんか溺れそうになってきた笑
そんなことはどうでもいいのですが、
マルチタスクの弊害として、地味に私が一番ヤバいと感じるのが、
無意識にマルチタスクでやれるようなことしかやらなくなる。
ということ。
動画でも指摘されていましたが、
マルチタスクでやれることって、言ってしまえば誰でも代替可能な作業ばかりです。
自分独自のアイディアも、練り上げられた文章も、優れた芸術作品も、音楽も、トップアスリートの最高のパフォーマンスも、すべてはシングルタスクの極致ともいえる圧倒的な没入状態(フロー)に達しなければ、生み出されることはないと言われています。
そして、
マルチタスクは、もしかしたら生み出されていたかもしれない、そのような才能の萌芽をすべて摘み取ってしまう凶悪な習慣なのだということを肝に銘じておきたいところです(恐っ
というわけで、今日からあなたも私もシングルタスク。
それでは、また。