カワセ君「どうして市場金利が上がると国債の価格が下がるの?」

投資




どうも、タカハシです。

 

先日、相変わらず知識欲とどまることを知らないカワセ君から、またまたウザイいい質問をいただきました。

 

まったくこのガ…この子は毎回メンドクサイ質問するなあ…ねえクニエモンって、また今回もいない。しゃーない、自分で調べるしかないか。

 

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そもそも国債ってなんだ?

まず、これから調べないことにはなんとも埒が明かない。

国債って聞いてもイメージすらできないんだから…カワセ君はどこまで国債のこと理解しているんだろ…まったく末恐ろしいお子様だぜ。

 

というわけで、まずはこんな説明から。

 

ここで学んだことをまとめると、次の通り。

・国債とは、国が発行する「債券」のこと。債券とは、お金を借りるときに作る「借用書」のことで、つまり「国債を買う」ということは、「国にお金を貸して、その証拠に借用書を受け取る」ということ。

・国は、債権者(債券の持ち主)から借りたお金を国の事業などに使いながら、返済期限(国債の満期)までの間、半年ごとにその人に利息を払う。そして期限がきたら、借りたお金(国債の購入代金)をまとめて返してくれる、という仕組み。

 

なるほど、国債が債券、つまり借用書だということは分かったけれど、カワセ君の質問にある国債ってのは、きっと金融商品としての国債って意味だよね…。

つまり、投資の対象、資産運用の対象として国債があるってことなのか。

 

じゃあ、国からの借用書である国債を投資の対象にするっていったいどういうことなのよ?

という疑問を持ったうえで次の記事を読んでみましょ。

 

 

債券も株や通貨と同じ金融商品

 

要するに、債券というのは、自分で持ってるだけでなく、銀行や証券会社を通じて売り買いできる金融商品のひとつでもあるということなんだな。

そこが、微々たるものとはいえ、同じく金利が発生する定期預金との大きな違い。

 

例えば、額面金額(債券を手に入れるために支払う金額のこと)100万円で利率が年1%、満期日(支払った金額が戻ってくる期日)が7年後の債券があったとする。

市場金利,国債

あ、最後の項目、「利払い日」となってますが、正しくは「満期日(償還期日)」ですね、利払い日とは、債券の利息が支払われる期日のことでした、どうも失礼しました。

その債券を3年間持っていて、すでに3万円受け取った人が、急に100万円が必要になり、証券会社を通じて今持っている債権を売りに出そうとした。

そうすることで、元金100万円は戻ってくるし、3万円の利益も出たのでめでたしめでたしというわけ。

また、それをある人が101万円で買いたいと提案したとしよう。

もともと100万円の債券を101万円で購入するのは一見損なようだが、まだ残り4年間の年利を受け取ることができると考えると3万円得する計算になる。

 

さらに、同じ債権を102万円で買ってもいいという人が現れれば、債券の価値はさらにあがっていくということになる。

 

ただし、債券はやがては、期限が迫ってくるものだから、満期が近づくにつれて、額面額以上の金額で買うメリットはなくなっていく。そのため、必ずある価格で頭打ちになる。

 

ディフォルトリスク

こうやってみると、債券って、資産にある程度余裕があって余剰資金で買う分にはメリットしかないように思えるけど、実はそうでもないらしい。

国債(国が発行元)にせよ、社債(会社が発行元)にせよ、その発行元の財政状況が悪化したり、業績が不振で赤字が続くようなことになると、定期的にもらえるはずの利払い額が減少したり、最悪、元本が返って来なかったりすることもあるという。

 

それがいわゆるディフォルト(信用)リスクと呼ばれるもの。

 

たまに、ニュースで日本がアホみたいに借金をつくりながら、なおも国債を発行し続けているって話を耳にするけど、果たして大丈夫なのかね。

聞く話によると、日本がディフォルト(国債の債務不履行)に陥らないのは、日本国民が投資に疎く、膨大な金額を銀行預金として眠らせているからで、その資金は自動的に銀行によって運用されていて、その多くが国債の購入に充てられているんだとか。

なるほど、知らず知らずのうちに、国の借金の保証人のような役回りを国民が担っている…という理解でいいのかな?

ただ、アメリカでさえディフォルトしかかったわけだから、日本だけ別格で安心ってことは絶対にないということだけは、まず間違いないと思っておいた方が現状認識としては正しい気がする。


 

金利と国債価格の関係

 

話がちょっと脱線してしまった。

今回の疑問は、あくまで市場金利と国債価格の関係についてだったので、ドツボにハマらないように気をつけながら、そこだけピンポイントで答えを出さねば。

 

このあたりの関係に関しては、いろいろ調べてはみたけど、
まあ、大体が「複雑な要素がからんでいる」だとか「簡単に説明するのは難しい」となっていたり、「犬が西むきゃ尾は東、の関係です」とか、全くテキトーなことが書いてあったりと、要するに、みんなよく分かってないってことなんでしょうね。

それなのに、私みたいなもんがチャレンジするってのも無謀な気がしますが、まあ、やれるだけやってみましょ。

 

まずは市場金利について

 

これは、ザックリいうと、日銀が定める政策金利以外の機関によって定められる金利のこと。

銀行だとか、証券会社だとかの金融関係機関が商品を取引する際に用いられる金利のことだと思っておけば、まあ間違いはないと思います。

ただ、具体的な金利の変動要因については、それこそ、これだけで本何冊も書けるほど複雑かと思いますので、ここではいったん置いときます。

 

市場金利が上昇したら

 

とはいえ、日銀の政策決定の影響は大きいですから、何らかの政治的な影響力が市場金利に及ぶことは十分ありえます。

そこで、もし、仮に、日銀の決定などの影響で、市場金利が上昇した場合のことを考えてみると、当然、それを反映して銀行の定期預金の金利なども上昇するかもしれません。

 

しかし、日本の銀行預金で得られる金利は年利0.1%とか、スズメの涙ですから、それが国債の価格に影響を及ぼすとはあまり考えられません。

となると、考えられるのは、社債もしくは、国債の影響ということになりそうです。

 

一口に国債といっても、建設国債や赤字国債など、さまざまな種類のものが発行されています。
もちろん、1度発行したら、その国債の期限が来るまでは別の国債を発行できないなどという決まりもありません。

そして、国債も金融商品の一種ですから、当然市場金利が適用されます。

 

もし、国債Aの発行年度の市場金利が1パーセントだったとして、3年後に国債Bが発行された時の市場金利が2パーセントだった場合、

国債Aを持っている人は、当然、同じ額面なら、より条件のいい国債Bに乗り換えたいと思うでしょう。

ただ、2つを同時に保有する資力がない場合には、国債Aを売り、元本を確保してからでなければ買うことができません。

しかし、利率2パーセントの国債Bが発行されているのに、利率1パーセントの国債Aを額面満額で買いたいという人は普通はいません。

 

国債Aも国債Bも購入価格が100万円だった場合、ディフォルトリスクに差がないのなら、誰でも利率が倍の国債Bを買うでしょう。

すると、どういうことが起きるのか。

国債Aの債権者が市場で国債Aを売るためには、もともとの額面額より低い価格を提示しない限り売れないという事態が生じます。

簡単に言うと、どうやら、これが市場金利が上がると国債の価格が下がるということのカラクリのようなのです。

つまり、もともと100万円で買った国債も、80万円あるいは60万円、へたすると50万円まで値を下げなければ誰も買わないのだから、需給のバランスで自然と価格がさがっていくというわけ。

 

国債価格が下がると金利が上がるという側面も

 

また、冒頭でも説明したように、

国債というのは、国が債権者からお金を借りるための借用書という側面もあるわけです。

当然、お金が必要となれば、国は、何度となく国債を発行することになります。

ただ、市場というのは需給で動きますから、あまりに大量の国債が市場に出回れば、供給過剰で誰も買わなくなる。でもあんまり安い価格で国債を発行しても、国としては資金調達できないので、ぎりぎりの額面額はなんとか維持したい。

そうなると、どうするか。

もうお分かり、国債の金利を上げるしかないんです。

つまり、国債の価値が下がると、それをなんとか売るために金利が上昇していくという別の側面もあるということなんですね。

数年前に、財政破綻しかかったギリシャなんかは、自国の国債価格が大暴落した中、それでも財源を確保するために、金利を思いっきり上げまくって最終的には80パーセント(!)とかいうベラボウな利率を提示していたのですが、

最後は、IMFなんかが「まあ、しょーがねえな、今回だけだぞ」と買い取ってくれて、デフォルトだけはなんとか回避できたということもありました。

日本も、同じようなことが起きないといいんですけども…。

 

市場金利,国債

もともと、ギリシャの国際価格が大暴落した背景には、ユーロ危機の際に、その原因をつくったともされるギリシャの信用がガタ落ちし、ギリシャ国債を持っていた外国人投資家たちが、一斉にそれを投げ売ったことが大きな要因のひとつとしてあるといわれています。

 

日本国債は、ギリシャとは違って、その債権者(保有者)のほとんどが日本人だから大丈夫…というんですが、国債化…じゃなくて、国際化なんて当たり前の時代に、なんとも根拠としておぼつかないというか、なんというか薄氷の上、過ぎやない?

 

一度、日銀総裁なんかに出てきてもらって、カワセ君相手に、なぜ日本はこれだけ借金をしまくってんのに大丈夫と言えるのか、ガッツリと分かりやすく説明していただきたいもんです(笑

 

それはともかく、カワセ君これで納得してくれるかしら…まあ、まとめられるだけまとめてはみましたけど…

ま、ダメだしされたら修正なり、追記なりしよっと。

とりあえず、スゲー疲れました(-_-;)

 

それでは、また。