どうも、レボログです。
つい先日、私の中で数年ぶりに(いや十数年ぶりといっていいだろう)、大ヒットした漫画『鬼滅の刃』が4年3カ月の連載に幕を下ろしました。
鬼滅の刃…4年3カ月の連載に幕
こんな颯爽と登場して、いろんな感動や勇気や笑いを与えてくれて、引き際美しくまた颯爽と去っていった作品って…僕の中ではスラムダンク以来です。吾峠先生ありがとう。そしてお疲れさまでした!!— レボログ (@revolog_T) May 18, 2020
ナン十巻と間延びする作品が多い中、
人気絶頂の今駆け抜けるように迎えた最終回は本当に素晴らしかった。
というわけで、今回は、あらためて鬼滅の刃がどうしてここまでの人気を得たのか…

いや、その辺の話はあっちゃんあたりにお任せして。
別に、ボクは編集者ではないので、人気作品の方程式を導くことにあんまり興味関心はございませんしね!
それよりも、個人的にこの作品の好きなところというのをあらためてお伝えすることにします。
ま、結果的に分析癖が顔を覗かせることになったら笑って流し読みしていただいて。
鬼滅の刃はどうしてこんなにも爆発的な人気を得たのか

っていきなり分析から入ってるじゃねえか!
ボクが思うに、一言でいうなら人物への愛が深い。それは人、鬼の別を問わず。
これが鬼滅一番の魅力かなと思います。

とりわけ、鬼たちへの眼差しが素敵すぎる…ただし無惨様とドウマは除く
もちろん、中にはサイコパス的なクソ野郎や死刑宣告まったなしの極悪人もいるっちゃいるんですが、だいたいは元は人一倍優しい真面目ないいやつだったり、悲しい生い立ちから鬼になるしか生きる術がなかった…
瑠偉君のように過去に犯した過ちをずっと悔いて孤独を抱え家族の愛に憧れている・・・
そんな悲しみを抱えて鬼をやってる子もいるわけです。
いい作品の条件として魅力的な敵役が多数存在するというのがあると思うんですが、鬼滅の刃はまさにその典型。
これで無惨様がもっともっと器のデカいヤツだったらと思うと残念でならないんですが(笑)
でも、あの小物感が人間臭くていいという声もあるし(たぶん)、あのくらいわかりやすい性格だったからこそ物語もコンパクトにまとめることができたと考えることもできます。
話は少し脱線しますが、ワンパンマンという別の漫画に登場するガロウというキャラクターがいるのですが、
その彼は、子供のころから、
「なんでヒーローものの怪獣は、怪獣ってだけであんな寄ってたかってヒーローたちにボコボコに虐げられなきゃいけねえんだ!やってることは弱い者いじめだろ!」という違和感を感じて生きてきたというある種異端の青年。
ただ、見方をかえれば、
どっちが非道かわからん…みたいなことってよくあるし、
ボクもたまに

なんでコイツ主人公ってだけでこんなワガママなふるまいが許されてんだろ?
みたいに感じることがないわけではありません。
話を鬼滅の刃の方に戻すと、
その点、この作品は、すごくいろんなところに目配せがなされていて、
ある程度主要な登場人物たちには、人であれ鬼であれ、必ず救いが用意されている。
もちろん、最終回が各方面に向けた最大の救いなんでしょう。
作中、とくに印象的なのが鬼たちの最後。
もうお約束か!ってくらい
鬼たちがかつて人間だったことの記憶がフラッシュバックされるのですが、
炭次郎がそんな鬼たちの記憶に触れ、かつて人間だった頃の痛みに寄り添い、
それによって死にゆく鬼たちの魂が浄化され、穏やかに消えていく瞬間。
これこそが、この作品の大きな特徴であり、大好きなシーンでもあり…なんか水戸の黄門様ならぬ竈門の炭次郎様なのですよ、ホント好きなシーンなのです。
自己犠牲の精神性が読者の心を鷲掴みした
今の時代、意識高い系と揶揄されるように、
大望を抱いて高く跳べ!的な考え方が主流になりつつある気がします。

欧米型のマインドセットというか…
なんか、最近の日本人って、自分で自分を俺天才!とか名乗っちゃう人増えてきましたよね。
もちろん、それが成功へつながるマインドセットなのかもしれませんけど…
謙虚さとか、そういうのを美徳にしてきた日本人的メンタリティからすると、どうも違和感を感じる…という人もいたと思う。
その点。この物語の主人公・竈門炭次郎は大望とか個人的な野望とか持ってません。
あるとすれば、妹(ねずこ)とのささやかな幸せを取り戻すことだけ。
そのささやかな、多くの人が気づかずに実は最初から手に入れている幸せのために、
誰よりも強く高く跳ぶ。その姿が、真っすぐでけなげで応援したくなるじゃないか、というわけです。

鬼滅の刃の大ヒットの背景には、この時代を生きる人々の心の中にある古き良き日本人の精神文化へのあこがれとか、自己主張強めの意識高い系マインドセットへのウンザリ感とかが蔓延してたのとかが関係してるのかなと勝手に推測してます
とくに、時代に蔓延する肌に合わない”自意識高い系”をもてはやす空気感への反発として、
何ら個人的な大望を抱かず、自分のためではなく妹のために戦う炭次郎という少年が光輝いて見えたのではないかと。安心して自分を重ねたり応援出来たりしたのではないかと。
よくよく考えてみれば、
この物語に登場する人物のほとんどが、個人的な欲望のためではなく、誰かのために命がけで戦ってましたね。柱はいわずもがな、鬼たちですら、人間だったころはみな、大切な人とのささやかな幸せを守りたいだけだった。
正直、海賊王に俺はなる!とか言われても

知らんがな!
って感じで引き気味だったボクも、
炭次郎が闘う姿をみるにつれ、

おう、頑張れ頑張れ!
と自然と応援してましたもん。その態度の違いが全てって気もします。
花は散るからこそ美しい
また、この作品では、ファンの声を聞くなら
もう絶対に死なせちゃダメ!という主要人物たちが次々に命を落とします。

しのぶさん・・・
でも、だからこそ、他の漫画なら死ぬはずのないような準主役たちがバタバタと倒れるからこそ、
読者はそこにご都合主義じゃないある種リアルで容赦のない世界を見たのだと思います。

容赦のない世界で生きるボクらと、それ以上に容赦のない世界で生きる炭次郎たちの生きざまをどこかで重ねながら手に汗握って読んでましたね
そう考えると、最終回はちょっと日和っちゃったのかな?という気がしないでもありません(もちろん個人的には納得できる締め方だったと思ってますが)。
ただ、
悲しい最期もふくめて、この作品の魅力だからこそ、変に容赦のなさを希釈するのは読者を子ども扱いしている…ととられるかもな。
花のたとえでいうなら、散ったと思った花が実は造花でしたよ~散ってませんでした、だから泣かないでね~元気出してね、みたいなね(笑)※

ただ、胡蝶姉妹が転生してJKやってますとか…いい夢ですよ
※転生した行冥先生に言われたら別の意味で泣いちゃいそうです。
なんたって登場人物が魅力的!
強い、カッコいい(カワイイ)!
そんなのアタリマエ!
それに加えてこの物語を彩る登場人物たちの1つの特徴として、
みんな必ずと言っていいほど悲しい過去を持ち、でもそれを乗り越えて強く生きよう(鬼を打倒しよう)としている。

最初、柱たちの登場シーンを見たときには、
キャラ立てようとしすぎて悪目立ちしてるんじゃ…とか思ったけど、それぞれの過去や背負ってるものが明らかになるにつれ、みるみる推しメンが増えていきました。
しかもその悲しみも、個人的な過失とか自業自得とかそういうレべルの話ではなくて、
運命というか個人ではどうしようもない出自の問題だったりするので、人が人なら世を逆恨みして悪党になってもおかしくないのです。
しかし、そうはしなかった。
自分と同じ悲しみを他の人に味合わせまいと立ち上がったのが柱たちであり、それを束ねるのが鬼殺隊の最高責任者である産屋敷家の当主様であり…あ、最高齢おめでとうございます。
産屋敷長老。 #版権 #鬼滅の刃 #ネタバレ注意 #産屋敷 #日本最高齢 https://t.co/YiqD7Ph2Ux pic.twitter.com/Lxfy0YGJ34
— sumi amane (@sumiamane) May 18, 2020

おっと、書いているうちに、
じゃあ、あの人もこの人も、鱗瀧さんも、サビトもマコモもと収集がつかなくなってきそうなのでまたの機会にいたします。
とにかく、魅力的な人物たちそれぞれについて語りだしたら、1人につき1記事ずつかけそうなくらい濃ゆい背景があってですね…つまりはスバラシイ作品なわけです。
今後は、煉獄さんのスピンオフ作品に映画も控えているし、スマホゲーム化などなど
連載が終了してもまだまだしばらくは鬼滅ブームが続きそうです。
ちょっとうがった見方をすると…
人って、無意識のうちに自分より不幸な存在を応援したくなる生き物(逆もまたしかり)だと思うのです。
その点でいうと、
もう、物語が始まった段階で愛する家族の命を鬼によって奪われてしまった…
という巨大すぎる不幸を背負ってるわけですよ、炭次郎は。
人って、自分より恵まれている人を本心から応援することってないと思うんですが、
炭次郎はズルい言い方をすれば、読者のほとんど全員より大きな不幸を背負ってるわけです。

んなもん、応援しないわけにいかないじゃないですか。
読者の中に炭次郎君よりつらい過去を背負ってる人がどれだけいますか?
炭次郎君が闘ってるんだから、自分もがんばらなきゃ!
そう思うのが人情ってもんでしょ。
また、無惨を退治し、ねずこを鬼から人に戻す物語というゴールが最初からはっきりしていたし、変に間延びせず、そのゴールに向かって一直線に駆け抜け予想どおりというか期待通りキッチリと終わらせたところにも潔さを感じます。これっていろんな誘惑もあってなかなか出来ないことだと思うし(本人はよくても商業主義的にとか)。

最近は、終わりどころを見失ってダラダラ何十巻も展開する作品もあるなかで、すごく爽やかでした。
ただ、
一部予想屋さんの間では、タンジロウが鬼化して、今度は人に戻ったねづこが数年の修行後タンジロウを人に戻すべく旅に出る第2章がスタートするのか!?みたいな噂も飛び交ってましたけど…それもみたいっちゃみたかったかな…いや、やっぱいらんいらん、蛇足だ。
というか、作者の吾峠先生って女性だったんですね…作風やペンネームから勝手に鬼滅を書き終えたら死ぬワニだと思ってました。
アニメ版なら全話無料で視聴可能!
私も、実はこの作品アニメ版から入ったクチでして。アマプラとか視聴可能なサイトはいくつかあるのですが、だいたい月額課金制。
そんな中、
たとえば、U-NEXTとかだと31日間無料キャンペーン
とかやってるので気になる方は覗いてみるのもアリでしょう。
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何か時代設定が古臭いな…
と実は最初ちょっと敬遠(放置)してた作品だったのですが、
何の気なしにアニメを見始めるや、
(ピカチュウばりにカワイイ)ねづこちゃんや、男の扱いがうますぎるしのぶさんにすっかり魅了されてしまい…というのはさておき、
本当にアニメ版の作画や音楽が素晴らしく、原作の雰囲気を見事に映像化していると思います。

原作を見始める前からそう確信してました
まだこの作品に触れたことがない方には、
まずはアニメ版をチェックしてみて、気に入ったら漫画も手にしてみるという流れが無駄がなくておススメです。

外出自粛がまだ解除されない今こそ一気見のチャンス!
まだまだ語りたいことは山ほどあるのですが…
今回はこのへんにしておきます。
それでは、また。