【1周まわって新しい?】石積みについて調べたら奥が深かった話

ブログ

今朝、テレビをつけたら、

徳島で石積み学校というものを開催し、石積みの技術を後世に伝えようといしている金子さん(番組当時28歳)という方の特集番組をやっていた。

 

早稲田大学時代に、土木技術の研究で石積みを学んで以来、

その技術を広めたいという思いから地域おこし協力隊として、徳島県名で石積みを広める活動をづづけているという。

 

結婚し、奥さんのお腹には赤ちゃんがいて

生活のことを考えると、このまま石積みを続けていていいものか…。

 

そんな理想と現実のはざまで揺れ動く青年の葛藤に心を奪われつつ、

気づいたらもう番組のエンディング。

 

 

スポンサーリンク

実は、すごく奥が深い石積みの世界

 

石積みといえば、

私が真っ先に思い浮かんだのは、城の石垣(いしがき)だった。

 

精巧に削り出された石どうしがまるでパズルのように組み合わさた様はとても美しい。

しかも、接着剤も何も使ってないというから驚いてしまう。

 

 

ただ、調べてみると、そこにはやはりというか、様々な決まり事があることが分かった。

 

まず、石積みの基本は、

1つの石の周りに6つの石を置き、そのそれぞれが他の石とかみあっていること。

 

そうすることで、

何十年、あるいは何百年もの間崩れずに安定した状態を保てるという。

また、石には7つの顔(面)があるともいわれ、それぞれ最も安定する面どうしを見極めて組み合わせていくのも石工職人の腕の見せ所だという。

 

そのほかにも、「4つ巻き」「縦石」「拝み石」「逆石」など、やってはいけない禁止事項がいくつもあってちょっと覚えきれない。

ましてや実践となると…。

 

レボログ
レボログ

まさに、職人芸だこりゃ。

 

 

そういえば、

冒頭紹介した番組内でも

「今の60歳以下の人たちには石積みができる人は多分いないし、積んでもすぐに崩れちゃうね。だから金子さんのように徹底的にそれを学んで広めてくれる若い人が必要なんだよね。」

 

という話が出る場面があった。

 

愛媛県に広がるミカンの段々畑。

それは、その地域の原風景であり、その風景を守り続けてきたのは、畑を支える石積みのワザだったという。

 

その石と緑とが見事に調和した美しい景観を前にすると、

「もし、これがコンクリートに変わってしまったら…いっきに風情がなくなるだろうな。」

と、つい余計なことを思ってしまう。

 

もちろん、実際に土砂災害にあわれた農家の方々のことを考えれば、

あまり無責任なことはいえない。

 

ただ、やはり金子さんのような方に石積みの依頼をされたということは、

地元の方々にしても、石積みならではのぬくもりや、石積みに支えられた昔ながらの景観を守りたいという思いが強かったのだろう。

 

 

石積みから学べることはきっとたくさんある

 

石積みは、何度積んでも工夫の余地があるという。

 

また、地道に一つ一つ石を組んでいくという小さなことの積み重ねが

やがては大きな成果につながることだったり、

 

あるいは、小さな石どうしが組み合わされることで、どんな雨風や地震にも負けない強度を発揮すること(ひるがえって、人と人とが協力することの大切さ)

 

などなど、学べることは多そうだ。

 

もちろん、環境に負荷をかけないエコな土木技術としても大変に優れているし、ぜひ未来にむけて絶やすことなく継承していってほしい。

 

ちなみに、

企業研修の一環(いっかん)として、若手社員に石積みを体験させるってアイディアも素晴らしいと思うから、そちらもぜひ実現させてほしいと個人的には思います。

 

 

それでは、また。