【映画】インターステラーはなぜ今世紀最高のSF作品なのか?

映画レビュー

長い映画にはハズれが少ない。

 

七人の侍しかり。

アラビアのロレンスしかり。

 

興行的には、視聴者をあきさせないために

できるだけ2時間以内に収めていただけると…

 

みたいな打診はあったはず。

にもかかわらず、それを余裕で超えてくるということは、

 

 

それだけ、言いたいことや伝えたいテーマが濃密であるに違いない!

ということは想像に難くない。

 

レボログ
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たまに、愛のむきだしみたいな不思議な映画もあるにはあるけれど。

 

 

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今世紀最高のSF映画?

 

そんな触れ込みに興味を惹かれて見始めたのが、

今回テーマとして取り上げる『インターステラー』。

 

 

滅亡しかけた地球を前に、

人類の存亡をかけ、新天地を求めて未知なる宇宙へと旅立つ。

そんな未来の開拓者たちのお話。

 

あいかわらず、

アンハサウェイはキュートだし、

マシューはダンディーな大人の色気たっぷりだし…。

そんでもって、監督はダークナイトシリーズなどでもおなじみのクリストファー・ノーランとくれば面白くないわけがない。

 

もともと、

私自身、宇宙や近未来をテーマにしたSF作品に目がないということはある。

ただ、そういう嗜好性を抜きにしても、

 

とりあえず、観ておいて損はない作品、それは間違いない。

 

映像のインパクトに頼らない硬派さがステキやん

 

3時間に迫るような長編ともなれば、

どこか冗長なシーンというものが目に付くのが常だ。

 

 

そして、テーマがSFともなると、

レボログ
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どうせ未来の話だし、作り話なんだし、多少トンデモな展開でも映像のインパクトで誤魔化せんじゃね?

 

みたいな製作者の開き直りを感じてしまうことも多い。

 

また、宇宙が舞台だと

 

それでは、どうぞ、ぼんやりと宇宙空間に漂う主人公たち…を最新の映像美とともお楽しみください。

 

みたいなナゾのお品書きが用意されることも。

 

ゼロ・グラビティーとか、まさにそれメインの作品だったもんな。

 

レボログ
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あれは、あれで映像作品として美しかったけど。

 

 

その点、

このインターステラーという作品は、

長編にも関わらず、冗長に感じるシーンとか一切なし!

 

おそらく、

本来はもっと長いスケールの作品だったのを凝縮してなんとか3時間以内に収めた。

製作者たちにはそんな苦労があったに違いない。

レボログ
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とか想像する。

 

 

最新の理論物理学を見事に映像化

 

この映画の見どころの一つ。

 

それは、

量子力学や相対性理論、重力量子論といった最先端の理論物理学の世界観を見事映像化することに成功した宇宙空間でのシーンで決まり。

 

 

レボログ
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こんなん観たことねー。

 

専門的な理論はちんぷんかんぷんな私も、

たまに、

ワームホールやコールドスリープなんて馴染みある言葉を耳にするだけで、

ちょっとワクワクが止まらなかった。

とくに、ブラックホールに突入して手が歪むシーンは

 

レボログ
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ウソ―!そんなんなるんやー。

と、大分ゾクゾクっとした。

 

レボログ
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人類が進む先に、こんな宇宙とのかかわり方があるのか…。

 

 

 

映画を見ながら、そう当たり前のように感じることができたのも、

滅亡寸前の地球から宇宙へと向かう過程の描き方に余計な誇張がなかったことが理由のひとつかなと思う。

 

地球の外側には、当たり前のように宇宙空間が広がっていて、ワームホールを潜り抜ければ、その先には遥か彼方に別の銀河が広がっている。

 

 

これが今世紀最高のSF作品かどうかは正直よくわからない。

ただ、私にとっては、これまで見たSF作品の中で、もっともリアルに今と地続きなものとして、宇宙と人類の未来を感じられた作品だった。

 

 

それでも、最後に残るのは孤独…そして愛(少しネタバレ)

 

『20億光年の孤独』

たしか谷川俊太郎の処女詩集のタイトルだったこの言葉。

 

そして、この映画を通して感じたテーマの一つが『孤独』だった。

 

地球からはるか離れた惑星に一人取り残された孤独。

それがどれほど重たいものか…。寂しいものか。

 

たとえ、頭では分かっていても、

理性的な科学者の頭をもってしても、孤独とその先にある死の恐怖には抗えなかった。

たとえ、人類の多くを犠牲にすることになっても…。

 

そんな象徴的なシーンもこの映画の中では登場する。

 

 

孤独を救うのはやはり愛。そして希望

 

あらためて言葉にすれば、

ベタ過ぎて恥ずかしくなってしまうのだけれど、

 

この映画が描くその結論は、

決してベタでもなければ、ウソくさくもない。

 

 

相対性理論の果てに、ある者には気の遠くなるような、

そしてある者には一瞬とも思えるような宇宙の旅を経て、最後にたどり着いたのは、人類を救ったのは、やはり人が人を愛する想い共に生きる未来への希望だった。

 

AIには愛や希望は必要ないもの。

しかし、人間にとってそれは、未来へむかう最大のエネルギー源でもある。

 

レボログ
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でも、冗談をいったりたまにウソをつくAIもステキ。

 

宇宙への旅という多くの人にとって興味深くも未知のテーマを通して、

最後は最も普遍的な結論へと完璧な着地を決めてみせた。

 

レボログ
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おまけに、あのラストシーンの期待感、清々しさときたら…。

 

そんな離れ技をやってのけたとなれば、

もはや、これは名作と呼ばないわけにはいかない作品だろう。

おススメ…だけど長編だからお休みの日にでもどうぞ。