どうも、レボログです。
先日、ついに我らが国民的ヒーローであるイチロー選手が28年間の現役生活にピリオドを打ちましたね。
残念ながら、最後の試合でヒットを打つ姿を見ることはできませんでしたが、
これまで残した前人未到の記録の数々は永久に不滅。きっと、そうに違いない!
さて、試合の方はしっかり見れていない私ですが、
なぜか会見後の【記者からの質問攻めのコーナー】の方はわりとしっかりめに見させていただきまして(笑)

なんででしょ?やっぱり”言葉”のキャッチボールだから?
すでにご覧になった方はお分かりかと思いますが、
引退会見のプログラム内容は、
冒頭でイチロー選手が現役を退く意向を示したあと、大部分の時間を記者からの質問に答える形式で進められていきました。
そうなると、観てる側も自動的に

記者さんたち、ちゃんとした質問しろよ…。
と固唾(かたず)を飲んで見守るモードに入ります。
なんせ、相手は記者の質問にもイチ流のクオリティーを求めるイチローさんですからね!
とはいえ。
やはりあれだけたくさんの質問者が参戦すれば、
案の定、そこは玉石混合でして…。
時に、イチローさんに深く考えさせるようなナイスな質問もあれば、
即答で跳ね返される〇ソみたいな質問もあったわけです。
さて。
会見を観終わったあと、私の中で思い浮かんだテーマがひとつ。
それが今回の記事で取り上げたかった『いい質問と悪い質問の違いって何だろう?』ってやつ。
もちろん、このテーマに唯一の正解があるとも思いません。
TPOや質問をする目的によっても変わってくるでしょう。
ただ、この記者会見においては、その優劣の決め方はわりとハッキリしていた。
それは、ズバリ。
イチロー選手からいい答えを引き出せた質問かどうか。
これに尽きます。

もう、質問を受けた瞬間のイチローさんの顔つきで
その質問のクオリティーが分かったよね。
では。
今回は、その辺をちょっと考えてみたいと思います。
いい質問(者)の共通点1:無邪気な少年の目線から聞いている
いい質問は、シンプルでストレート。
たとえば、小学生が素朴に疑問に思うことをそのままぶつけたような純粋さがあります。
例えばこんな質問がありました。
「現役時代、野球のするうえでいちばん我慢してきたことはなんでしたか?」
シンプルなんだけど、よく考えるとすごく深い。
そして、人知れず苦しんだこともあったであろうイチローさんへのいたわりの気持ちも感じられる。

本当にいい質問だと思う。
当然、これに対してはイチローさんも時に深く考え込みながら、
丁寧に言葉を選び回答されていました。
いい質問(者)の共通点その2.イチロー選手へのリスペクトが感じられたこと
やっぱり、
引退会見の場にいる記者は全員イチローさんの大ファン(もしくは大アンチ)であるべきなんだと思います。
どちらも”大”がつくからには、誰よりもイチローさんのことをよく知っていて、
その上で人間的な機微がしっかりとわかる成熟した大人であること。
もうね、野球をよく知らない記者とかが紛れ込もうもんならフルボッコ確定は免れないんですよ(笑)、ある意味そういう残酷な現場でいいと思うんです。

イチローさんの引退記者会見なんて、猛者しか立ち入れないのは当たり前だろっていう(笑)
もちろん、イチローさんの表面的なデータをウィキなんかで一夜漬けした程度の付け焼刃ではとても太刀打ちできなくて、過去のイチローさんのインタビュー映像や記事から、

ああ、イチローさんが好きなのはこういう質問なんだな、逆にボコられる確率の高い質問は…
みたいな傾向と対策はしっかりと事前にしとくべき!
今回は、それが出来ていない記者があまりに多すぎたという印象でしたね。

てか、対策というか、その辺ファンなら当然わかってることだと思う。
ダメな質問(者)の共通点1:場をわきまえていない
一方で、現役引退の記者会見にもかかわらず、
普段、試合後にするようなプレイの調子に関する(他愛ない)質問をする記者も。
イチローさんの言葉を借りれば、

その質問・・・いる?
とサルでもわかるような質問をすんじゃねえよ、いい大人がよ。
と言いたくなります。
なんてったって、舞台は一生に一度の引退会見の場ですからね。
しかも世界中に向けてライブ配信されている。
その限られた時間の中で、ファンたちがイチバン聞きたい珠玉の質問をするのが
記者にもとめられる役割のはず。
そこで、28年間の現役生活を終えるという決断をしたイチローさんに対し、
今シーズンの調子がどうの、マニアックな技術論や感覚的な話を聞いてどうするんだと。
引退を決意するに至った経緯を考えれば、そんなことより、
偉大な功績に敬意を表しつつ、まず労をねぎらうとか。
記者である前に、一人の人間ですからね。
人間として、イチローさんに対し、今どんな質問をすればいいか真剣に考えたらさ、そんな言葉
出てこないでしょ?
その、本来なら出てこないはずの質問こそ、
イチローさんはもちろん、視聴者をもシラケさせたドイヒーな質問の数々だったんだろうなと思います。
ダメな質問(者)の共通点その2:ダレトクな質問をする
悪い意味で印象的だった質問に、
イチロー選手がメジャーデビュー戦で3打席凡退した後、4打席目に初ヒットを打ったことを引き合いに出して(ご丁寧にも対戦相手のピッチャーの名前を出し、しかもその間違いをイチロー選手本人に指摘されるというおまけつき)、
「ラストゲームでも(3打席ノーヒットで迎えた)第4打席に(ルーキーシーズンの)そのシーンが思い出されましたか?」
と尋ねたものがありました。
それに対し、イチローさんは、
「長い質問で申し訳ないけど、ないです。」
と一刀両断。

う~ん、そりゃそうなるわ。
思うに、この質問のダメなところは、おそらく日本中の誰も興味のないことを聞いちゃってること。
じゃあ、なんでそんな質問が飛び出すのかというと、
要するに、記者が自分の野球知識をヒケラカシタイだけっていう(笑)
その意味で、観ていてすごくダサかったし、
イチローさんの表情がみるみる曇っていくのも気象学的にみて当然の結果というもの。

てか、これってよく考えたら質問ですらないよね。イエスノーでしか答えようがないし。
仮に、イチローさんが、
「ああ、よく覚えてますね、実は当時のことを思い出してました。」
と気を使っていってくれたとして、果たしてそれがダレトクなのか?

あ、そうなんだ。へえ…。
以外の感想があるでしょうか、ね?
てか、イチローさんに気を使わせて申し訳ない…しか思わないよ…ワタシ。
つまりは、愛なんだ、シンプルにそう思う。
イチローという偉大な野球選手への愛。
そして、鈴木一郎という一人に人間に対する愛。
さらには、野球に対する愛。
いい質問者が共通して持っていたのは、
そんな”愛”なんだと思います。
逆に、

この記者の質問どうなんだろ…
そんな質問をかます記者には、それが欠如していた。
質問した後、イチロー選手に
「聞いてます?」なんて言わせんなよ…。

愛があれば、食い入るように一語一句もらさず聞くでしょ?
そう考えると、
いい質問(者)か悪い質問(者)かの違いって、
聞き方とか言葉選びとかそういうテクニカル(技術的な)な話じゃなくて、
本当に、ずっと疑問に思っていたことを真剣(かつシンプル)にぶつけているかどうかがほぼっていうアタリマエの結論に落ち着いてしまいました(笑)。
やっぱり本物を前にしたら、
小手先は通用しませんよってことなんでしょね。
とりま、
私のくだらない質問論なんて置いといても、最後にコレだけは言っておかなければ。
イチロー選手28年間本当におつかれさまでした!
それでは、また。