最近、母が断捨離にハマっている(困っている)。
家の屋根裏に何十年にも渡ってため込んだ衣類や家具やなぞの瓶や植木鉢やらを
手当たり次第に見つけては、せっせと車で近くのごみ処理場に運んでいる。
多い時には一日3回もその施設にごみを捨てに行くハマりようで、
その度に重い荷物を運ばされる私の腰は大分悲鳴を上げている(から困っている)。
とかなんとか書いているのも、つい先ほどまさに30年選手のクソほどボロい椅子をクルマに詰め込んで捨てに行ってきたからで、
無報酬で重労働させられるこちらの身にもなってほしいものだ…がこれまで過去に受けてきた恩の数々を考えると、そう易々と断ることもできないし(母もそれをわかっていてニヤニヤしながら私に過労を強いるからなお困る)。
とはいえ、その近所(車で10分ほど)にあるごみ処理施設がちょっと特殊で、
なぜか働いている職員に若い女性が多い。
ゴミ処理場…というと働いているのは中年の武骨かつ無口なオジサンたち…という偏見があったが
こればかりは嬉しい誤算で、
(なにこれちょっとしたパラダイスじゃない…)
と、それ以来、イレギュラーに訪れるセルフごみ処理が楽しみで仕方なくなったそれほど苦ではなくなった。
そういえば、ちょっと前に
佐川男子というワードがバズったときがあったけれど、
あれは佐川で働く若いイケメン(しかも重労働ゆえにマッチョ)というのが売りで、肉体美を前面に押し出したカレンダーまで発売されて話題になった。
「ゴミ処分女子」「粗大ごみ破壊女子」
ごみ処理施設で働く若い女性を見るにつけ、そんなパワーワードが頭に浮かぶ。
果たして全国的にどれくらい若い女性がごみ処理施設で肉体労働に従事しているかは分からないが、
華奢な体で軽々と重たい家具を運んだり、
椅子の裏についた金属を金づちでワイルドに破壊し分別する姿は、ギャップ萌えの極致というか、観ていてこれほど興奮するものはない(変態か)。
さて。
ゴミ処理施設に妙齢の女性を拝みに粗大ごみを捨てに行くと意外なことが巻き起こる。
今回も、椅子を破壊したら椅子の隙間から10円が飛び出してきた。
「お、これ今日の報酬ですね(笑)」
若いおにーちゃんが日に焼けた爽やかな笑顔で10円を手渡してくれる。
今、その10円を眺めながら、この文章を書いているんだけど、
このところまったく金にならずにブログを書くモチベがガタ落ちだったところにきて、
ちょっと面白いことがあったから、そのやや受けな感じを言葉にして知らない誰かが少し愉快な気分になったらそれはそれでアリだよな、というブログを書く原点とでもいうべき初期衝動が戻ってきたことが何よりの報酬だったともいえる。
コロナ禍で味気ない日常が続いている、とか言ってしまいがちだけど(まあ、実際そういう面もなくはないけど)、試されているのはコチラの眼力だったりするのかな。
目を凝らせば、日常は驚きや発見や、ウケるw出来事に溢れているし、それを見つけるのも見逃すのもすべては自分がどれだけ世界に対して前のめりでいられるかという態度の問題なのかなーとか思ったりしたのでした。
おしまい。