この記事では、FX初心者が最初にやってしまいがちな代表的な3つの間違いについてお伝えしてします。
筆者を始め、これまで数多くのトレーダーたちが経験してきた過ちですので(笑)、ぜひこの記事を参考に同じ失敗を繰り返さないことを願います。
しくじり1.いきなりリアルトレードから始める
FXを始める人にその理由を聞くと、ほとんどの人が

儲けたいからに決まってんじゃん!
という答え方をします。
でも、ちょっと待ってください。
あなたは、もう十分に稼ぐための準備を整えましたか?
そう聞かれて、自信をもって

YES
と答えられないようなら、
まだリアルトレードを始めるには早いかもしれません。
今、専業トレーダーとして月に7桁以上の収入を稼いでいるプロトレーダーたちでさえも、
だいたい3年以上は稼げない時期を経験しているといわれます。
そして、トレーダーが勝てるようになるまでには一般的に次のような経過をたどります。
1.考えられる限りありとあらゆる失敗を経験する
まず、誰でもこの段階からスタートします。
この時点では、相場について右も左もわからず、
とりあえず買ったり売ったりしてみたとかそんなレベルでしょう。
そして、
立ちはだかるのは、そんな初心者の行動を知り尽くしたプロトレーダーたち。

さてさて、今日から楽して5万円なり~♪
海千山千のプロたちは、そんな甘っちょろい夢みがちな素人をカモにしようと常に待ち構えています。
たとえば、将棋の世界を例にとってみましょう。
始めて間もない人は、まずルールブックを読んで(もしくは、人に教えてもらって)ルールを覚えます。
ただ、それだけで勝てるようになるのは羽生さんか藤井さんかシ〇マルくらいでしょう。
確かに、ルール通り駒を動かすことはすぐにできます。
でも、それと勝負に勝つことはまったく別の話。
勝つためには、定石を一つ一つ覚え、失敗を繰り返しながら経験を積み重ねなければなりません。
同じように、
FXの世界でも、ルールを覚えただけで勝てるのは一部の天才だけでしょう。
一般的なトレーダーは(たとえあなたが天才だったとしても、”自分は平凡なトレーダーだ”と謙虚な姿勢でいた方が成長は早いと思います)、ありとあらゆる失敗を経験しながら、徐々に定石(勝ちパターン)を覚えていかなければなりません。
この段階でトータルで勝つことはまず無理です。
当たり前です。
相手にしているのはとっくに定石をマスターしたプロたちなのですから。
プロ棋士相手に素人が早々勝てるものではありませんよね?
勘のいい方なら、なぜいきなりリアルトレードから始めることが無謀かもうお分かりでしょう。
それは、最初は確実に負けるからです。
つまり限られた資金を一気に失うのです。
しかも恐ろしいことに、ほとんど何の教訓も得られないまま。

あっという間に資金を失ってしまった…まるで台風が過ぎ去ったようやった…。
2.ようやく、なぜ勝てないのか考え始める
たくさん痛い思いをして、
たくさん悔しい経験をして、
それでもあきらめない一握りのトレーダーだけがこの段階にたどりつきます。
始めにおことわりしておくと、
9割のトレーダーがこの段階に到達できずに、さきほどの第一段階でやめてしまいます。
その原因は、先ほどお伝えした通り、いきなりリアルトレードにツッコむから。
そのせいで、勝つためのコツをつかむ前に資金が尽きて退場してしまうのです。
これは実にもったいないことです。
そこで、失敗を経験しながら生き残るためにも、
初心者トレーダーは、まずはデモトレードから始めることをおすすめします。
フォレックステスターはトレーダーにとって精神と時の部屋
初心者トレーダーが限られた資金を守りながらトレーダーとして一気に成長する方法。
それは、フォレックステスター2のような検証ソフトを使う事です。
たしかに、
資金を守りながら定石を学ぶという意味では、デモトレードも悪くありません。
しかし、デモではちょっと時間がかかりすぎます。
初心者のうちに大切なのは、できるだけたくさん動いているチャートを見て相場観を養うこと。
その点で最適なのがフォレックステスターを始めとしたチャート検証ソフトなのです。
たとえば、
デモトレードなら、1時間足(1時間ごとに足が1本確定する)で検証するのに数時間で数本分しか見ることができません。
しかし、フォレックステスターを使えば、ボタン1つで足を進めることができます。
つまり数年分のチャートの検証を数時間で行うことができるのです。
確かに、
ソフト自体は3万円と多くの人が気軽に買える値段ではないかもしれません。
しかし、
だからこそここで躊躇する他のトレーダーたちより1歩も2歩も先を行くことができるのです。
そして、初心者時代の無謀なトレードでドブに捨ててしまう資金を節約できると思えば、むしろ安すぎる買い物だといえます。
そう。
実際に、何十万(あるいは何百万)という資金を失って退場していく初心者さんが今日も後を絶たないことを思えば…。
長期的な視点に立ち、必要なモノには初期投資を惜しまず最速で成長することを考える。
それが成功するトレーダーに共通する姿勢です。
最初は、考えられる限りありとあらゆるミスをする
↓
勝てない原因を本気で考え始める
↓
そこから※PDCAを回し徐々に勝てるようになっていく

んだよ、FXって全然勝てねえじゃん。
簡単に勝てるとかウソばっか!

な〇さわくん、勝てないの人のせいにしてない?
さて。
ここまで生き残った残りの1割のトレーダーたちは、

う~ん、勝てない原因は何なんだろう…
と真剣に考え始めます。
そして、実際に手を動かしてPDCAを回し始めると成長は早いです。
勝てるトレーダーたちに共通して言えること。
それは、とにかく面倒くさがらずコツコツと検証していることです。
↓
あ、そうか相場にはトレンド相場だけでなく、レンジ相場もあるのか。もしかしたら、自分が負けてたのってレンジの局面だったのかもしれないな。
↓
じゃあ、次はトレンド相場とレンジ相場を見分けられるようにしてみよう。よし!さっそく検証だ。
そうやって日々自分の相場観を鍛え、その結果、勝てるトレーダーへと成長していきます。
しくじり2.聖杯さがしの旅に出てしまう
これは別名ノウハウコレクターともいいます。
このような人たちに共通して言えるのは、みんな
楽して稼ぎたい!という強い思いを持っていること。
そして、残念なことに、世の中にはそんな初心者たちをカモにしようと、
というような、ある意味”そそる”キャッチコピーで数多くの商品が売られています。
ただし、私の知る限り、初心者がたった1か月で安定的に月100万円を稼げるような手法はありませんし、勉強もせずスマホだけで楽に稼げる方法もありません。
ちなみに、私も初心者時代、数多くの商材を手にしては毎回

よっしゃ、これで勝てる!
と有頂天になっていたものですが、
結局どれも勝たせてはくれませんでした。
それも当然と言えば当然。
どんな手法にも、必ずうまくいかない時期があります。
トレンド相場が得意な手法ならレンジ相場ではイマイチだし、レンジが得意な手法ならトレンド相場では何連敗もしてしまうこともあります。
本来は、そのような大きな負けを経験するたびに立ち止まり、手法を検証する必要がありました。
しかし、当時の私は、勝てる手法はいつでも勝てるものと勘違いし、

ああ、この手法はもう通用しなくなったんだな
と次の聖杯候補を探しに出かけていたのです。

お前さん、その旅にゴールは無いぞ。
そう、今なら分かります。
もし、あなたがトレードを始めたばかりなら、
まずは、エントリーのルールをひとつだけ決めてみてください。
MAを使った手法でも、シンプルな押し目買いでも、とりあえず教科書で優位性があるとされているものならなんでも構いません。
そして、それを過去のありとあらゆるチャートを使ってテストしてみてください。
・上手くいくときとそうでないときの違いはなんだろう
・短期足と長期足どっちで機能しやすい?
・売りと買いでは勝率が変わってくる?
・通貨ペアごとの成績の違いはある?
・連敗数は?最大ドローダウンはどれくらい?
そのほか疑問に思うことはなんでも検証してみてください。
ノウハウの表面をなぞるより、まずは1つの手法の専門家になること。
数万円もする手法をいくつも購入するより、よほど学べることがあるはずです。
しくじり3.テクニカル分析にハマって抜けられなくなる
私の知り合いのトレーダーで非常に勉強熱心なSさんという方がいました。
そして、彼がFXを始めたての頃、
最初に読んだのがテクニカル分析の本でした。
その本には、テクニカル分析がいかに素晴らしいもので、
高度な計算によって導き出されたものかが丁寧に書かれていました。
「なるほど、テクニカルを極めれば、相場で勝てるようになるのか!」
そう思ったSさんは、その日からテクニカル分析の勉強にのめりこみ、覚えた分析ツール(インジケーター)を片っ端からチャートに追加していきました。
あるとき、Sさんにトレードしているチャートを見せてもらったことがあったのですが、
そこには、20個以上のインジケーターが同時に表示されていました。

うお、インジケーターだらけで、ろうそく足が見えねえ…。
とビックリした記憶があります。
おそるおそる
「それで…勝てるの?」
と尋ねると、
「…いや…きっとまだ分析が足りないんだよ。」
という答えが返ってきました。
いや、多分そうじゃねえと思うぞ…。
確かに、テクニカル分析は、正しく使えば値動きを判断する助けになります。
しかし、分析手法によってはお互いに相反するものもあるのです。
また、あるものはレンジ相場向けで、あるものはトレンド相場専用だったりもします。
つまり、使いどころを間違うとかえってマイナスなのです。
たとえば、RSIやストキャスティクス(ストキャス)などのオシレーター系指標は、レンジ相場で機能するインジケーターですが、
それらが発する”買われ過ぎ”や”売られ過ぎ”というシグナルも、レンジ相場だからこそ意味があります。
それをトレンド相場で反転のシグナルとして使うと、大きく負けてしまう可能性が高いでしょう。
そして、
インジケーターを一度にたくさん表示させる最大のデメリットは、
トレードできなくなってしまうことです。
「トレンドライン抜けたから、買いでエントリーできそうだけど…ボリンジャーバンド2シグマ到達してるし…」
などと、特に初心者は余計な迷いが生まれ、かえって混乱するだけでしょう。
私自身、初心者時代の自分にこう言ってあげたいです。

値動きの基本はろうそく足。
まずはしっかり値動きを観察して通貨ペアごとの特徴をつかもう。テクニカルはあくまで自転車の補助輪のようなものだから過信しないでね。
さいわい、Sさんもその後、彼の師匠からアドバイスをもらい、一度に表示するインジケーターの数を2つにまでしぼることで勝てるようになりました。
勉強熱心な方ほど、Sさんのような罠にハマってしまわないようお気を付けください。
おわりに
急がば回れ。
という言葉があります。
これは相場の世界の教訓として作られた言葉かと思うほど、FXトレーダーにぴったりと当てはまる言葉です。
冒頭でお伝えしたように、多くのトレーダーが
稼ぎたい!
という強い願望からトレードを始めます。
しかし、
それが余計な焦りとなって、必要な学びをすっ飛ばしてしまいます。
その結果、9割のトレーダーが資金を失い1年以内に退場していくというのがこの世界のリアルです。
まずは稼ぐことはいったん忘れましょう。
そして、
トレードの上達だけ、上手くなることだけに集中してみてください。
そうやって地道にスキルを磨いた人だけが、
トレーダーとして開花していけるのです。
ぜひ、急がば回れを合言葉に、日々ともにレベルアップしていきましょう。
それでは、また。