FXで扱うさまざまな手法のスペック(良し悪し)を計るための指標の一つにプロフィットファクターと呼ばれるものがあります。
この記事では、プロフィットファクターの基礎知識とその最適値の目安についてお伝えいたします。
プロフィットファクターってなに?
プロフィットファクターとは、
総利益 ÷ 総損失によって計算される数値です。
例えば、ある手法を使い100回トレードして266万円の利益と100万円の損失が出た場合、プロフィットファクターは2.66となります。
プロフィットファクターの適正値とは?
「へえ、じゃあプロフィットファクターは高ければ高いほどいいってことなの?」
確かに、そんな風にシンプルに考えたいところですが、実はそう簡単ではありません。
巷ではプロフィットファクター(PF)の高さを売りにしたEAなどが多数出回っていますが、高すぎるPFというのも実は考えものです。
なぜならば、PF自体は、テストの際に、その相場の値動きに手法のパラメーターを合わせること(いわゆるカーブフィッティングと呼ばれるような過度の最適化)を行うことによって、いくらでも高く見積もることができてしまうためです。
当たり前のことですが、リアルな相場では、過去の相場と同じ状況が、将来にわたって繰り返されることはありません。
もちろん、似たような状況はあるかもしれませんが、限りなく似ていたとしても、まったく同じということはありえないのです。
そうなると、特定の環境に過剰に最適化された手法では、ちょっとした環境の変化で大崩れしてしまう危険性があります。
また、そのPFがどの程度の期間とテスト回数を経て導き出されたものかも重要なポイントです。
中には、テストの具体的な結果も公表せずに、簡単に儲けたい初心者をカモにしようと、プロフィットファクターだけを全面的に打ち出した商品やツールなども見られます。
もし、EA(自動売買ツール)の性能を判断するための目安として、プロフィットファクターを参考にするなら、その商品紹介ページに掲載された情報の中に、具体的なテスト回数、期間、そして通貨ペアなどが含まれているかしっかりチェックするようにしましょう。
そして、できれば、実際にその手法を試してみる前に、自らの手できちんと検証作業をしてみることです。
そうすることで、
・果てして、この手法は本当に再現性があるのか?
・本当のところ、プロフィットファクターはいくらなのか?
このような疑問への回答が出るはずです。
環境の変化に柔軟に対応するために
まず、当たり前ですが、プロフィットファクターが1を超えれば、その手法を使って利益を上げられることになります。
そして、もしプロフィットファクターが2を超えたら、その手法はリスクリターン2:1という非常に優秀な手法ということがいえるでしょう。
一方で、プロフィットファクターが5以上…となると少し警戒した方がいいかもしれません。
一概には言えませんが、あり得ないほど高いPFをうたった手法の多くで、おそらく特定のテストデータに対し、過度の最適化が行われていると推測されます。
それは、例えるなら、スコールの季節に一切雨漏れしない家を作った結果、気温の上がる夏場にはあまりの高温で住めなくなってしまうようなもの。
相場環境は、絶えず変化していきます。
そのため、トレーダーとして長く生き残っていくためには、大勝はできなくても、あらゆる環境の変化に対応できる手法を手にしておくべきなのです。
相場参加者の9割が1年以内に相場からの退場を余儀なくされているという現実に目をそむけてはなりません。
ポイントはシンプルであること
複雑なパーツで構成された機械は、一度歯車が狂うと、なかなか修復は難しいものです。それは、トレード手法でも一緒。
一方で、ダウ理論や、水平線でのサポレジなど、相場の原理原則をベースにデザインされた手法というのは、簡単なようでいて、あらゆる相場状況に適応しやすい柔軟さをもっています。
どんな手法でも、必ず連敗期は存在します。
しかし、そのような時期でも、手法の性能を隅々まで知り尽くしていれば、原因を究明し、立て直していくことができます。
そのためにも、まだトレードを初めて間もない方が手法を選ぶ際には、
ぜひ、複雑で仕組みの理解できないものよりも、できるだけシンプルで、かつ分かりやすい理論を元に作られた手法を選ばれることをおススメします。
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