読者ハ読ムナ(笑)⇒コミュ障じゃない人が書いたコミュ障のための本

「イイかお前ら!

もし、コミュ障がコミュ障のままだったら、ソイツは絶対に漫画家にはなれない。

というか、会話もしないやつが俺の事務所にいたら、ソッコーでクビにする。」

思いがけず、そんな過激な物言いをする作者の本と出会ってしまいました…。

この本は、一言で言うならば、漫画の現場の”リアル”を描いた本。

だから、そりゃもうバ〇マンなんかを読んで、

「漫画業界ってこんな感じなんでしょ?」

としたり顔で取り澄ます小賢しい漫画家志望のひょろひょろ~っとした(勝手なイメージです)若者なんかは、まさにワンパン貰ってぶっ飛んでしまうくらいパンチの効いた内容となっております(冒頭のご紹介した内容を見ただけでも大分ぶっ飛んでいるのがお分かりいただけるでしょう…)。

漫画家というと、どちらかといえば黙々と作業しているイメージがあるし、

そもそも、人とのコミュニケーションが苦手だから、漫画を描いていきていきたいんだからね!

という密やかな動機で仕事を選んだように思いがちだったけれど、

よくよく考えてみると、漫画家って、絶えず編集者や原作者とのコミュニケーションを欠かさず、作品を作り上げていく仕事なんですよね。

売れっ子ともなれば、漫画雑誌のインタビューなんかも含め、その辺の営業マンよりも、いろんな方と日々おしゃべりしているのかも…。

だからこそ、一流の漫画家たちは、だいたいみんな話し上手で、聞き上手、つまり人とのコミュニケーション能力が高い高い。

少なくとも、

「俺さ、超絶コミュ障だけど、漫画家としては、第一線で10年以上、やってんぜ?」

みたいな人は、多分いないんじゃないかな。私が知らないだけかな?もし、そんな人がいたら逆にめっちゃ興味が湧きそうではあるな(笑

これから、出版社を介さずに電子書籍として個人が漫画を出版できるような時代になれば、また変わってくるのかもしれないけど、今のところは、やはり描くことがお仕事の漫画家といえども、コミュニケーション能力は不可欠、ということは疑いようのない事実のようです。

漫画が上手いだけじゃダメなんだ

漫画家の方のインタビュー記事なんかを読んでいると、やっぱり

「子供の頃は、内気で、なかなか友達ができなくて、家でこっそり漫画描いてました。」

という内容のものが多い気がします。

だから、もともとは、漫画家として活躍している方の多くが、内向的な性格の持ち主だったんじゃないかな…なんて想像してみるわけです。

でも、そういう人たちも、漫画家としてデビューしてからか、それとも学生時代になのかはわからないけれど、人生のどこかの段階で、漫画家として生き抜くためのコミュニケーション能力を鍛えていったのだと思うのです。

つまり

『漫画の上手さ』+『いろんな大人たちと良好な関係を築けるだけのコミュニケーション能力』=第一線で活躍する漫画家

ということになるのかな。

コミュ障はコミュ障なりに

これは、あくまでイメージとしての話ですけど、

コミュニケーションに苦手意識がある人にとって、高いコミュニケーション能力を求められる現場で働き続けるというのは、

全然望んでもいないのに、いきなりリングに上げられて、腹筋がバッキバキに割れた猛者たちとスパーリングをやれ!と言われるのと似ている気がします。

しかし、そこから逃げ出すわけにはいかない!

となれば、ヘロヘロになりながらでも、体力をつけて、なんとか3分間しのげるだけの自分にならなくてはならない。

ただ、コミュニケーションの目的は、相手を倒すことではないから(むしろ逆に、関係を円滑にすることが目的であることが多い)、

おしゃべり好きの相手ならば、こちらは話を聞く側に徹するとか、

もしくは、

全然面白くない、オチも無い話をしても、相手がうまくツッコミを入れて笑いにしてくれるとか、意外と何とかなる面もあるんじゃないかな、そこがボクシングとの大きな違い。

コミュニケーションは間違いなく上達するもの

口下手?

だったら、猛特訓してうまくなればいいんだよ!

ということをこの本を読んでいて、気づかされたというか、ガツン!と喝を入れられました(笑

もちろん、生まれ持ったセンスで、とてもマネできないような巧みなトークを展開する天才も一部いるにはいるんでしょうけど、多分そうじゃない人がほとんどだと思うし、

であれば、話の構成の仕方だったり、普段からいろんなことを言葉化して伝えるトレーニングを積むことで、ある程度、話せるようになるんじゃないかな…。

話し上手というと、どうしてもパリピ的なイメージを持ちがちだけれど、

むしろ、内向的な性格の人こそ、意識的に話術やトーク技術を磨くことによって、コミュ障から抜け出して、高いコミュニケーション能力を身に着けられる可能性も十分ありそうだと感じマス。

よく、物事を上達する過程として

意識してもできない状態⇒意識すればできるようになる⇒無意識にできるようになる

という順番があるといわれますが、

まずは、意識しても出来ない状態から意識すればできる状態にもっていくために、普段からコミュニケーション能力の高い人の話し方や、聞き方を意識的に真似てみるとか、有効かもしれないですね。

近くに良い見本が居なければ、YouTubeで落語を聞くのでもいいし、す〇らない話に登場する芸人のトークを完コピしてみるのも、いいトレーニングになるかもしれません。

え?そんなの、人に見られたら、なんかヤバいヤツみたいじゃんって?

知るか!(笑)そりゃもう、気分は役者ですよ、まずは、自分じゃない自分を意識的に演じてみる。それがコミュ障から抜け出す第一歩なわけです。だから、滑稽でも、笑われても、やるっきゃない。

そして、だんだん演じている自分と、自分がそれまで素だと思っていたコミュ障っぽい自分の中間点くらいが素の状態になっていく(つまりレベルアップ)。

これをくりかえして、素の自分を少しずつアップグレードさせていくのは、しんどそうだけど、ちょっと楽しそうかも(笑

とりあえず、ダメな後輩(私)のダメなところを思いっきりダメ出ししてもらいつつ、

「ここは、こうした方がいいぜ?」

と厳しくも的確なアドバイスまでくれるような、今の時代では絶滅危惧種的熱いパイセンに出会えたかのようなありがたい本なのでした。

よかったら、ぜひ。