太宰治『斜陽』没落貴族の悲しみと、太宰流遺書の書き方講座。

今朝は雨が降っている。

昨日の晴天とは打って変わって、庭の梅の木にわずかばかりほころんだ蕾も、この雨で半分は落ちてしまうだろう、ただ、そうじゃなくても、どうせ旬はじき終わりを迎える。

とりあえず、窓から見える風景を描写するところから始めよ、という作家Tの言葉に従って、とりとめもなく書き始め、それが本題とは関係のないことに気がつく。

また、風が強く吹いてきた。梅の花が宙に舞っている。晴天の下でなら絵になる青と淡いピンクのコントラストも、暗い曇天の下ではどこか不吉な空気を纏っているよう。

ぬるっと、本題へ

ようやくエンジンが温まった所で、いよいよ本題へ。

今回のテーマは太宰治の『斜陽』。

話の中身は、正直あまり覚えていない(笑

一言で言えば、没落貴族の悲哀、悲しみ…あ、同じ言葉を2回重ねてしまった。

けれど、ニュアンスの違いというか、悲哀があって、それを改めて現実のものとして主人公の女性がかみしめているという。

今思えば、そんな印象のお話。

没落貴族問題。つまり斜陽問題。

現代では、あまりイメージが湧かないけれど、当時の貴族らにしてみれば、在りし日を懐かしみ、来たる時代を怨嗟するような切実な問題だったのだろう、太宰がそれを本にするほどに。

確か、太宰自身も青森の名家出身だし、そういう事実もリンクしているには違いない。

これを無理やり現代や近未来に当てはめてみるなら、

喫緊(というかもはや過去の事例か)では、ア〇ゾン台頭後没落してしまった小売業

数年から十数年後の近未来では、AI台頭後、思わぬ形で職を奪われることとなった、かつてのエリートサラリーマンといったところか。

にしても、ホント無理やりだったな…。

直治の遺書

まあ、この項では、ちょっとネタバレを含むので、それが嫌な方は飛ばしていただいて。

物語の終盤、主人公の弟、直治が自殺する。

そして、後日、姉である主人公を通して、読者は、直治の弔辞…じゃなくて遺書を目撃することになる。

「ああ、きっと、こりゃ太宰さん、この時期、遺書の書き方について割と本気で思案してたんだろな。」

なんて思わせるほど、直治という青年を通して、(推測だけど)自らの生きにくさについて延々と書き連ねている。

自分は、貴族の出だから、どこまで行っても庶民のように俗に塗れることもできないし、

かといって、貴族の気取った生き方なんて、性に合わない、というかどうせ俺なんて、もうあの連中からしたらただの厄介者でしかないんだ!

金儲けもできねえし、かといって、私淑している先輩の上原にたかることも憚られる。

上品にも下品にも振り切れない。どこまでいっても悲しい。

そういえば、4月15日は、遺言の日、だそうです。はからずも。

錬金術の基本は、『理解・分解・再構築』

鋼の錬金術師という漫画に、「錬金術の基本は、理解・分解・再構築」というフレーズが登場する。

理解・分解・そして、再構築。

錬金術に限らず、物事を習得するためには、この3つの過程を経なければならない。

つまり、物事をマスターしたと言えるためには、

バラして構造を理解するだけでは不十分で、それを自分の手で再び一から組上げてみる(再現してみる)必要があるということだ。

私の場合、理解して分解した後の再構築がどうも疎かになりがちで、

案の定、直治の遺書も超テキトーに再編してしまった(笑

ちなみに、鋼錬の作者、荒川弘先生⇒女性だって知ってました?

私事ですが、お恥ずかしい話、作風から大分最近まで、男性だと思い込んでまして…。

とはいえ、遺書の書き方に迷ったら、太宰の『斜陽』

ということだけは、ここに記事という形でインデックスされたから、とりあえず何も書かないで読んだことさえ忘れてしまうよりは。

ただ、

「実は、ワシには、長年、想いを寄せる女性がいてな・・・」

なんてことをじーさんになってから、告白するのもなあ…あくまで期間は限られる、というと不謹慎?まあ、文学は”毒”ですからね。上等上等。

ちなみに、キンドル版は無料で読めるみたいなので

興味のある方はよかったらぜひ。

それでは、また。