先日、久しぶりに再会した友人らと酒の席でそんな話になった。
その友人は米どころ新潟の出身なのだが、学生の頃アメリカに留学していて、現地で出されたコメの味と食感に衝撃を受けたのだという。
「ありゃ、俺の知ってるコメじゃねえ…。」
それ以来、会うたびに高確率でうわごとのようにそう漏らすようになった。
そのせいで彼は裏で密かにコメ大名a.k.aコシ〇カリと揶揄されていて…
それはともかく、
(その友人曰く)なぜ、そんなまずいコメを出す国が米国と呼ばれているのだろうか。
ぶっちゃけ、コメとか関係ないらしいよ。
と、同席した物知りな別の友人(Y君)がいきなり答えと思しきものを教えてくれる…シンキングタイムわずかに2秒。
あいかわらずいいタイミング笑
彼の話によると、もともと日本ではアメリカを表記する際に『亜米利加』という漢字をあてていたという。
じゃあ、なんで亜国じゃなくて、米国になったのかというと、これには諸説あって
1.”亜”から始まる地名が多すぎたため、それと区別するため(たとえばアジアは”亜細亜”と表記される)
2.英語の発音だとァメリカのようにアが抜け落ちてメにアクセントがくることから、当て字にもそれを反映させた。
あたりが有力説とのこと。
ちなみに、今でもたまに小麦粉のことをメリケン粉と表記するのを目にするけれど、
これも、もともとはアメリカン粉からアが脱落し、なまったものだとする説がある。
実際に、幕末や明治の日本では、一般的にメリケンの名でアメリカを呼んでいた(ディスってた?)例もわりと多かったそうな。
いや、『メリケン=ディス』っていうのは私の勝手なイメージで、実はアメリカに対する憧れを込めて使われていた言葉だったのかも…この辺は、もし可能なら、ぜひ当時の人たちに胸の内をお聞きしてみたいですね。
あ、もしかして不良漫画なんかに登場するメリケン〇ックなんかもこの流れを汲んでたりする??
ドイツをドイツと呼んでるのは日本人だけ?
もう一つ話題になったのが、ドイツをドイツと呼んでるのは日本人だけじゃないのか?というテーマ。
これまた大名いわく、
「俺がアメリカに行ってた時、ドイツ人って言っても全然伝わらなかったんだよね。German(ジャーマン)かGermany(ジャーマニー)しか通じなかった。
ついでにいうと、『ジャーマニーはドイツ人じゃなくてドイツ(国名)って意味だぜ、ジャパニーズ。アンダスタ~ン?』ってバカにされついでに覚えたことは、まったくク〇ったれなほど、いい思い出だわ(笑)」だそう。
氏のこんな経験談から、
なるほど、たしかにドイツとジャーマニーとじゃまったく印象が違いますな~という話で盛り上がる。
「俺が思うにだな、ジャーマンってのは、アレだ、ゲルマンの英語読みなんだと思う。多分綴りは一緒だろ?アメリカ人はゲルマンって発音しにくかったから、『ジャーマンでええやん、ハイこれ世界標準ねb』ってことにしちゃったんだと思う。」
と自説を展開するコメ大名氏。
すかさずY君も、
「うん、Garmanってどちらかというと本来、発音はゲルマンに近いらしいね。ジャーマンってのはそのアメリカ訛り。
アメリカ訛りが国際標準みたいになった例って結構多いよね、チャイナとかジャパンとかね。」
と割って入る。
え?私? 私は、襲い来る睡魔との壮絶な戦いの真っ最中でそれどころじゃありませんでしたよ(笑。
日本では英語よりもドイツ語が馴染み深かった
もともと、江戸や明治期の知識人たちが先進的な知識や技術を求めて留学した先は、イギリスやアメリカではなくドイツだったという。
そして、ドイツでは自国のことを”Deutsch”と書き表し、留学先でそれを耳にした日本の知識人たちによってドイツ(独逸)という言い方が一般的に定着していったんだとか。
なるほど。
もし、明治期の日本が最初に選んだ留学先が、英語圏の国々だったら、ドイツはドイツでなくジャーマンとして定着していたかもしれないのか…。
そう思うと、ちょっと感慨深いものが…あ、でも、今目の前に出されたジャーマンポテトは、もろにジャーマンですけどね(笑)
きっと、これは、英語圏の国経由で日本に伝わってきた食べ物なんだろうな。
この辺は、他の文化を取り込んで自分たち流にアレンジするのが得意な日本人らしさが感じられてちょっと面白い部分でもある。その辺の大らかさはこれからの世界には必要ですよ、きっと。
ただなぜか英語のアレンジだけは未だに苦労している不思議…。
私個人としては、なんでもかんでも自分たち優位に考え(がち)な英語圏的(キリスト教的?)な発想よりも、「ドイツ人がドイツ(と日本人には聞こえる)っていってんだから、ドイツなんだろ?」
と郷に入れば郷に従う日本人的柔軟さや謙虚さの方が、お隣さんだったら断然好感持てる気がするな…。
などと、たまにひとり物思いにも耽りつつ、お二人のおかげで楽しいひと時を過ごさせていただきました(寝ちゃってごめんね)。
それでは、また。