この映画に、僕のドラえもんはいませんでした

最近やたらと、我がアマゾンのトップ画面に表示される

『STAND BY ME ドラえもん』のバナー。

はて…。

過去にドラえもん好きを公にするような買物をした記憶もないし、実際、特に好きでもない。
未だにアニメも放送されているようだが、すっかり見なくなってしまった。

今パッと思い浮かぶドラえもんのひみつ道具を上げろと言われても、10個上げられるかどうかといったところだ。

ただ、もともとドラえもんの道具はご都合主義で話の展開に合わせてそれを解決するために生み出されるものだし、その原理を科学的に説明しているわけでもないから、現実味は皆無なわけで、この道具はこうで…なんてことを覚えていたところであまり役には立たなそうではある。だったら、むしろ、自分で架空の道具を考えた方がよっぽど楽しそうだ(笑。

ドラえもんとの別れのとき




私がドラえもんからすっかり離れてしまったのには、決定的な理由がある。
それは、長年ドラえもんの声をつとめてこられた大山のぶ代さんが引退されたことだ。
子供のころから、私の中ではドラえもんの声と言ったらあの声という感じだったので、今テレビなどで目(耳)にするのは、どうしても全く別の猫型ロボットにしか見えない。
確か、ドラえもんってもともとは量産された猫型ロボットの一体だったよね?
そんな設定も手伝ってのことだとは思う。

とりわけ、大山のぶよさんがご病気で自らがドラえもんであったことを忘れてしまったという悲しいニュースを伝え聞いてからは、もう完全にドラえもんは私にとって記憶の中だけのものとなった。

じゃあ、なぜ、この映画を観ようと思ったのか

そんな私がなぜ、今回この映画を見る気になったのかといえば、まず、タイトルがちょっと気になったから、というのがある。
これまで、ドラえもんの映画というと、まずタイトルは『ドラえもん、のび太の~』と必ずといっていいほど、主役二人の名前が先に来ていた。

しかし、今作は、なぜか、スタンド・バイミーで始まっている。

すると、嫌でもジュブナイル映画の金字塔『スタンドバイミー』とのつながりを勘ぐってしまう。
しかも、タイトルにのび太が登場しない。どんな話か全く想像がつかない。
おまけにフルCGで描かれたドラえもんの顔上半分だけがひょっこりとのぞき、こちらを見つめている、しかもちょっと泣いてる…なんとなく意味深…。

ということで、90分とちょっとの時間を確保して、その真相(意味するところ)を確かめてみようという気になったというわけ。

実際に映画を観終えて

ハイ、何とか見終えました。

まず、最初に感じたのは、なんで敢えてフルCGにしてしまったんだろうということ。

海外進出を見据えて?そんなの日本のファンからしたらどうでもいいよね?
確かに表現は豊かになった気もするのだが、キャラクターが多動過ぎて、全体的に落ち着きがないようにみえてしまう。結果、話の内容が入って来ない…。

先日はポジティブな多動についての本を紹介したけど、ハッキリ言ってこっちの多動はあかんヤツです(笑

また、ジャイアンがのび太に暴力を振るうシーンや、しずかちゃんのスカートをめくるシーンなど、妙に生々しく、CGであることで悪目立ちするシーンも目につく。

結局″ドラ泣き″できず終い




映画の冒頭、ドラえもんがセワシによって強制的にのび太を幸せ(?)にするまで未来に帰れないようにプログラミングされてしまうシーン。そのシーンが入ったせいで、その後のドラえもんの行動が全てウソっぽく見えてしまう。

確かにラストではそれを覆そうとする演出も見られるのだが、それも付け焼刃で、最初に感じた不快感を払しょくするには至らない。また、エンディングのNGテイクもアニメ作品ゆえにまったくもって意味不明(笑ただの蛇足だ。

ちなみに、私自身は確認していないのだが、この映画のキャッチコピーはズバリ
「あなたも一緒にどら泣きしませんか?」だそう。
どら焼き食べませんか?

ならまだしも、どら泣きってなんやねん(笑

そのコピーを裏書きするように、ストーリーも過去作から泣ける名シーンベスト3を寄せ集めて再編集したような構成。
ただね、
泣かせよう泣かせようという意図が見え見えだと、人は泣けないものなのですよ、監督さん。

結局、この作品は、かつての名作アニメのネームバリューを借りた現代のクリエイターたちによるアニメCGの見本市だったのかなというのが率直な感想。確かに、CGで描かれた街並みはキレイだったけど、正直それさえもあまり印象には残っていない。
もともと原作の人気エピソードを90分に無理やり押し込んだような構成だから無理もないのだが、ストーリーは飛び飛びでそこに深みを求めるのは少々酷といわなければなるまい。

だから、全体を通してじっくりとストーリを味わうというより、10分くらいの小エピソードを詰め合わせた作品としてみると、それなりに楽しめるのかもしれない。

あとは、多動なキャラクターの一挙手一頭足に
取りあえずバカみたいに無邪気に90分間キャッキャと喜べる資質をあなたが今も失わずに兼ね備えているかどうか。

え?タイトルがスタンドバイミーから始まる理由? なんでのび太はタイトルから外れたのって?
知らん!そんなもん(笑

私としては、久々に、童心に帰ってドラえもんの世界を満喫したかっただけにちょっと残念。

あ、でも、しずかちゃんは、可愛かったです(笑