最近、海外ドラマ「LOST」を見初めて気になったことがひとつ。
それは、猛獣を寄せ付けないために、メンバーの一人が飛行機の墜落事故で亡くなった乗客たちの遺体を燃やそうと提案するシーン。
「遺体を燃やすなんてひどすぎる…。」
そうっ言って反対する他のメンバー。
緊急事態にも関わらず、遺体を焼くという行為にずいぶんと強い拒否反応を示すんだなぁ…。
とちょっとした違和感を覚える。
火葬が当たり前の日本に暮らす私としては、どちらかといえば「遺体=焼いて供養するもの」という認識だったのだが…彼らの反応を見ると、どうやら世界ではそれは必ずしも常識ではないらしい。
◇土葬が一般的なアメリカ
小さなお葬式雑学コラムによると、
アメリカやヨーロッパの主流は火葬ではなく土葬であるとのこと。
その理由として、欧米ではキリスト教徒が多く、死後の復活が信じられているため、 「遺体を焼く=復活できない」という考え方が根底にあるのだとか。
また、フランスなどでは 特に伝統的なカトリックの信者が多く、
遺体を焼くことに抵抗がある人が多いため、火葬率は30%ととりわけ低い水準だという。
◇イギリスだけはちょっと例外?
ただ、キリスト教徒の多い国は一律に土葬が主流かというと、 イギリスは異例で火葬率が73%と高い。
合理的と言われるプロテスタントが多い為、考え方もややドライ。
そんな考え方が影響して火葬が受け入れられたのかとも考えられるが、
実は土地不足の問題が多分に影響しているようだ。
その証拠にアメリカもプロテスタントの多い国だが、
広い土地があるため、火葬率は40%とイギリスと比較すると低い水準である。
日本も人口の割に国土が狭い国ではあるが、火葬が一般化した背景には、このような土地不足の問題も関係しているのかもしれない…というとなんだか急に現実的な話に聞こえますな。
とりあえず、結論としては、
キリスト教徒にとっての火葬は、行なうとしてもやむにやまれずといったところで、できれば避けて通りたい手段だといえそうだ。
近い将来、日本でも人口減少に伴い移民の受け入れが進み、さまざまな宗教圏から人々が集うようになったとしたら、お葬式に代表される死者の弔い方も徐々に多様化していくのかもしれない…などと、ふと思った次第。
まあ、死者を前にして葬り方を巡って大揉め…なんてことにはならないといいけれど。
それでは、また。