今作のマイキャリアモードのストーリーを語る上で、ジャスティス・ヤング君の存在に触れないわけにはいかないだろう。
彼とは、同じルーキーとしてチームに入団し意気投合したこともあり、その後、チームメイトとして苦楽を共にすることとなる。
前作では、直接試合に関わってくるような登場人物は存在しなかったが、ジャスティス君はストーリーのみならず試合でも大いに活躍してくれる。
ジャスティス・ヤング君を演じた俳優のマイケル・Bジョーダン氏。その名前から「マイケル・ジョーダンの息子さん!?」と誤解を受けることもあるそうですが、どうやら事実とは異なるようです。
マイキャリアモードとは本来、プレイヤーがNBAでの成功をつかむまでのプロセスを疑似体験することを楽しむためのものであるはずだ。
そして、多くのプレイヤーは、NBAプレイヤーの私生活よりも、試合の前後にアリーナで選手どうしが交わす言動であったり、またライバルチームのプレイヤーたちとの関係性にこそ興味をそそられるはずだと思うのだが…いかがだろうか。
にもかかわらず、前作ではNBAとはおよそ関係のないストーリーがダラダラと展開され、しかもそれが無駄に冗長で見ていてあまり気持ちの良いものではなかった。
また、どういう意図での演出か不明だが、途中で挿入されるインタビューもまったくもってストーリーとのつながりが感じられず、一言でいうならば、”プレイヤーを置き去りにして話が進んでいる”という印象しかなかった。まあ、演者と監督が何だか楽しそうなのは伝わってきたけれど(笑
その点、今作のストーリーは前作に比べ、より選手目線で話が展開し、また主要な登場人物たちが皆チームメイトということもあって、ストーリーに必然性があり、蛇足感はなくなった。
そして、ジムで過ごす時間やトレーナーとのやり取りなど新たに加わったシーンが効果的に臨場感を高めている。
また、犯罪に巻き込まれそうになったり、いきなり友人が死んでしまったりといった突飛な展開に頼らない抑制の効いたストーリーは、興を削がれることもなく安心して感情移入しながら楽しむことが出来るだろう。
相変わらず大学時代はあってないようなものだが、それでもチームUSAに召集されたりと、新たな試みもなされている。
ただし、問題点が無いわけではない。
ストーリーとは直接関係ないのだが、一度みたシーンをスキップできないのはいただけない(※)。
これでは、2キャラ目を作るために再度マイキャリアをプレイするのに二の足を踏んでしまう。日本版発売までにはこの点はぜひ改善していただきたいところだ。
(※)パッチ1.05の適用で、現在はすでに見たシーンはスキップできるようになりました。
さて、ストーリー展開と共に、今回マイキャリアの目玉となるのが、ジャスティス君とプレイヤーが結成する“オレンジジュース”デュオの存在だろう。
なぜオレンジジュースなのかはぜひプレイして確かめていただきたいが、その関係性はストーリー展開のみならず試合にも大きく影響する。
オレンジジュース発動中だと!?
試合中、プレイヤーからジャスティス君、もしくはジャスティス君からプレイヤーへとアシストが決まると、それぞれの足元にオレンジのエフェクトが出現する。
そして、それを一定時間内に繰り返し成功させると、なんとオレンジジュースモードへと突入するのだ(!)某漫画じゃないけど、2kもついに必殺技を用意してきたか…。
これは、簡単に言うと、プレイヤーが同時にオレンジジュースの二人を操作できるモードで、いつでも自由にキャラクターをスイッチして動かすことが出来るようになる。また、プレイヤーからの指示によりジャスティス君やチームメイトに好きなタイミングでシュートを打たせることが出来るようになり、アシストを伸ばしたい時などには大変便利なシステムだ。
ただ、あまりこの流れが加速して、次回あたり100%シュート入りまっせモードなんかが用意されないかちょっと心配ではある…スポーツに絶対があったらダメよ…。ゲームとしての面白さももちろん大切だとは思うけれど、2kには同じくらいリアルさも大事にしてもらいたい。だって、今唯一まともに遊べるバスケットボールゲームなんですから(笑
それでは、また。