不老不死。
それは人類が長年追い求め続けるテーマである。
しかし、いついかなる権力者であっても、いまだかつてそれを成し遂げた者はいない。
人は誰しも、死に対して恐怖心を抱くものだ。
自分の存在が消えてしまうことに。
しかし、不老不死は果たして本当に人類の希望と呼べるのだろうか。
先に結論をお伝えすると、私個人としては、以下でお伝えする3つの理由(リスク)から、たとえ技術的に可能だとしても(現時点では)不老不死にはなりたくないな~と思っている。
ここからは、ぜひ、あなたが永遠の命を手に入れたと想像しながら読んでみてほしい。
1.親しい人と死別を繰り返さなければならない
不老不死である以上、愛する家族や親しい友人は必ずあなたより先に死ぬことになる。子供や孫がいても、誰もあなたの最期を看取ることはできない。
そして、もし仮に、未来人が現在の人類と違った形へと進化した場合、あなたは生物学的に未来人との性交渉が不可能になってしまうかもしれない。そうなると、家族を持てないまま永遠に孤独な時間を生きなければならなくなる可能性だってあるのだ。
ただひとり、人類の進化から取り残されたまま生き続けなければならないという孤独感をあなたは人類で初めて経験することになるだろう。
2.あらゆる犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性
当たり前の話かもしれないが、永遠の命を手に入れたからといって、あなたはスーパーマンになるわけではない。知能や身体能力は、いたって平凡な普通の人間だ(死なないという点をのぞいては)。
それゆえ、時の政府や権力者、あるいは犯罪者の手によって、誘拐や監禁されることになるかもしれない。
そして、自由と希望を奪われた中で、永遠とも思える時間を生きなければならないのだ。自殺することさえ許されずに。それは、まさに悪夢といえるだろう。
そのほか、ありとあらゆる犯罪や差別、偏見にさらされる可能性が常にあなたにつきまとうことになるだろう。それは決してハッピーなことではない。
3.未来がバラ色だとは限らない
人が永遠の命を欲する理由のひとつに、人類の進化や明るい未来を見届けたいという尽きることのない欲求がある。
未来の人類は、宇宙に進出し、宇宙人と交流しているかもしれない。
あるいは、科学技術やテクノロジーはどこまで進歩していくのか。
未来を思い描くとき、ヒトはなぜか明るく幸せな行く末を想像しがちだが、なにも可能性はそればかりではない。
もしかしたら、そう遠くない未来に、かつて人類が経験しなかったようなディストピアが待っているかもしれない。
私がそのような想像を膨らませるきっかけとなった1つの記事がある。
それは
【ヤバイ】「10年間『シヴィライゼーション2』をプレイしています。これがその結果です。」
というものだ。
以下、その記事から一部を抜粋させていただく。
古いゲームですけどこれに魅了されているのは、3が出た頃には既に想像を越える未来にまでプレイが進んでいたからでした。
できる限りの未来まで突き進んでいけばどうなるか見てみたかったので。
もちろん他のゲームもやりますし、普通に日常生活も送っています。暇な時にはこのゲームに戻って少しずつプレイした結果、こうなりました。

AD3991年の世界地図。白い点が都市。プレイヤの国の人口は1572万人。
・世界は地獄のような苦痛と飢餓に蝕まれています。
・AD3991年時点で残っているのは3つの大国のみ。数十回の核戦争の結果ほとんどの陸地は人が住めない不毛地帯に化し、残り少ない資源をめぐって三国が競争しています。
・万年雪は核戦争のせいで20回以上溶け崩れ、その結果山以外の陸地は沼になって農地として利用できません。そもそもほとんどが放射能に汚染されてますが。
・結果的に都市の間隔がすごく遠くなりました。
2000年前にピークに達していた人口のざっと9割以上が核戦争と地球温暖化による農地の消失による飢饉で死に絶えました。
エンジニア(ゲーム後半の技術ユニット)はいつも軍隊が戦線まで移動する道路建設に追われます。建設した道路は次のターンには敵の攻撃で破壊されます。
それでいっぱいいっぱいなので沼地の開墾や放射能を除染する作業には手が回りません。
・3つの大国、ケルト(私)とヴァイキング、アメリカだけが生き残りました。他の国は全てどこかの国に征服されて無くなりました。
・100年戦争のことを知ってますか?じゃ1700年戦争はどう思いますか?
残りの三国はほぼ二千年のあいだ終わりのない戦争にとらわれています。平和が訪れることは不可能とさえ思われます。
休戦協定を結んでも次のターンに裏切られるか他の国が核武器で奇襲をかけてきます。UNが平和条約を結べと命令した時にもです。
この戦争を終わらすには他の国を全て絶滅させるほか方法がないと思っています。
それでこの戦争が延々と続いている訳です。シヴィライゼーション2をプレイした方で、ゲーム後半にこういった問題にぶつかった方はいませんか?
・残りの三国の二つは神政宗教国家、そして私の国は共産主義です。
できれば民主主義国家のままでやりたかったのですが、ヴァイキングから攻撃を受ける前に先制攻撃をしようとするといつも議会が私の足を引っ張りました。
議会の反対で先攻できず、戦略は水の泡。そして次のターンにはもちろん敵が休戦条約を破って先攻。
これには国が滅亡されかねないと判断したので仕方なく1000年前から民主主義を捨てました。
もちろん国民たちは私のことを憎んでいて、帝国の心臓部で大規模ゲリラが現れることもしばしば、その都度戦争のための資源を割いてその対応に追われます。
・最近数年間の目標はこの忌々しい戦争をさっさと終わらせて放射能汚染区域と沼地を整備し、再び農地を作ることです。
ゲーム内容は、ウォークラフトのようないわゆる″戦争モノ″ではなく、文明の発展や人類史そのものを扱っている。そのためゲーム内容は広範で、国土の整備や技術開発、そして何より他国との外交関係が、極めて重要な要素となる。単純に数値の大きさや強さのみを求めるのではなく、ゲーム内で有機的に繰り広げられる国際秩序を注視し、常に一手先を読んだ総合戦略が求められる。
1991年にマイクロプロース社より発売された Sid Meier’s Civilization のシリーズが有名だが、それ以外にも複数のメーカーから多数の Civilization の名を冠する作品が発売されている。2011年3月現在では、全世界で累計1000万本以上が販売されている。
最近では、アジアでも核実験を繰り返す国がある中、核戦争と温暖化で人類が壊滅的な状態に至るシナリオは決してありえないことだとは言い切れない。今後何千年というスパンで考えれば、むしろ、一度や二度人類に訪れてもおかしくない危機だとさえいえるだろう。
もし、このような未来が待ち受けているとしても、あなたはそれを最後まで見届ける覚悟があるだろうか。
おわりに
もし、人類が不老不死の肉体を手に入れた場合、人口は爆発的に増加するだろう(誰も死なないのに、新しい命は次々と誕生するのだから当然だ)。
また、仮に出産規制のようなことが行われたとしても、人口増加を完全に食い止めることはほぼ不可能だと推測する。となると、次に待ち受けるのは食糧危機や水不足だ。
ちなみに、次に戦争が起こるとすれば、その原因は飲み水の奪い合いによるものだとも言われている。水資源が豊富な日本に暮らしているとあまり実感が湧かないが、世界的にみれば、安全な飲料水というのはとても貴重な資源なのだ。
あるいは、単純に住むための土地が十分に確保できないという問題も生じてくるかもしれない。
そうなったとき考えられる最悪のシナリオ。
それは、それら限られたパイを奪い合うために、不老不死になった人類同士が殺し合うことである。
限られた命であればこそ安らかな死を迎えられたであろうはずが、永遠の命を手に入れたことで、皮肉にも人類の多くが無残な最期を迎えることになるかもしれない。
最近では、アメリカの企業家イーロン・マスクがスペースX社を設立し、火星への移住計画を進めているともいわれているが、もしかしたら、このような”望まぬ”未来を予測してのことなのかもしれない。
それでは、また次回。