ギルガメッシュに学ぶ魅力的な敵キャラの条件とは


出典:prcm.jp
バトルアニメにおいて、強さの表現は作品の質を大きく左右する。
主人公はもちろん、それと対をなして重要なカギを握るのが、敵キャラの描き方だ。

全てにおいて完ぺきな強さを持つのなら、それを具体的にどう表現するか。そして、他のキャラクターたちとのパワーバランスをどう調整するか。

そして、ただ強ければいいというわけでもない。
当然、その人格や哲学、人生観に至るまで、ボスキャラにふさわしい風格が備わっていなければ魅力的だとは言えない。

たとえば、私が好きなアニメFateには、ギルガメッシュというキャラクターが登場する。

このアニメでは、アーサー王やマケドニアの英雄王イスカンダル、あるいは佐々木小次郎など歴史に名高い英雄たちが英霊として現代に召喚され、聖杯をめぐって戦うという基本設定があり、英霊たちは、それぞれ宝具とよばれる伝説の武器を所持しているのだが、それらは彼らの伝説にまつわるもので、アーサー王であれば聖剣エクスカリバー、佐々木小次郎であれば物干し竿と呼ばれる日本刀がその宝具にあたる。

その英霊たちの中にあって、最も太古に世界を支配したとされるウルクの英雄王ギルガメッシュは、”ゲート・オブ・バビロン”と呼ばれる「後の英霊たちが所持することになる宝具の原典をすべて所持する宝物庫」自体が宝具という規格外の強さをもって描かれている。
まさに、すべての英雄の祖ともいうべき存在なのだ。

他の英霊たちが、せいぜい1個か2個の武器を用いて戦う中、ギルガメッシュだけは、数千もの宝具をまるで湯水のごとく使うのだから、まさにチート級だ。

だが、その憎たらしいほどの強さにふさわしいだけのカリスマ性を備えているのがまたギルガメッシュなのである。清濁すべてを呑み込み、軽々と世界を統べる王として凶暴なまでの魅力をもつ彼の存在は、清廉なセイバーとの対比によって、作品の魅力を際立たせる見事なコントラストを織なす。

ただ、惜しむらくは、ギルガメッシュがとどめを刺す際に多用する「天の鎖」という宝具の存在だ。

これは、ハンターハンターにおけるクラピカのチェーンジェイルなどと同様、対象を捕縛し動きを封じるために用いられるものだが、一度、捕らえればたとえ神であっても逃れることが出来ないという代物。しかも、そのために重い誓約が課せられることもなく、使用対象が制限されることもない。

それまで、好勝負を演じていただけに、最後にこの宝具が登場すると、なんだかとても残念な気持ちになる。鎖で体の自由を奪われ敗北を悟る相手と勝利を確信し笑みを浮かべる英雄王…から次のシーンでは刀や槍で串刺しに」という流れは見ていて居たたまれない。

もちろん、このシーンに彼の絶対的強さを感じるファンもいるだろう。
だが、どうしてもこの勝ち方にはスッキリしないものを感じてしまうのだ。


これも一種の“共感性羞恥”なのだろうか

いずれにせよ、彼の場合”エア”という絶対的な武器があるのだから、どうせなら正々堂々相手の技を受けきって勝つ方が、ギルガメッシュ自身の格も上がる様な気がするのだが…どうなのだろうか。


ただ、彼ほど魅力的なキャラクターもまた珍しい。

それは、彼が、ただ支配欲、権力欲の権化ではなく常人にはおよそ計り知れないような野望と哲学を持ち合わせていると感じさせるからなのだろう。

それは、数々の印象的なセリフまわしにも表れている。

「侮るな。あの程度の呪い、飲み干せなくて何が英雄か。この世全ての悪? は、我を染めたければその三倍は持ってこいというのだ。よいかセイバー。英雄とはな、己が視界に入る全ての人間を背負うもの。―――この世の全てなぞ、とうの昔に背負っている」

出典: dionysus-room.blog.so-net.ne.jp

〖参考〗【雑種注目】Fateギルガメッシュの慢心度MAXな名言50選!

そんな絶対的な強さをもつギルガメッシュと、主人公である衛宮士郎との一騎打ちは、アニメ史に残る名シーンのひとつだ。

個人的には、彼が主役をつとめるスピンオフ作品もぜひ見てみたいものである。
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] Blu-ray Disc Box Ⅱ【完全生産限定版】 -
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] Blu-ray Disc Box Ⅱ【完全生産限定版】 –

それでは、また次回。