最近、globeばかり聴いている。
彼らがリアルタイムでオリコンを席巻していたのは、1995年のデビューから2000年代初頭にかけて。
当時小学生だった私は、Keikoの歌う歌詞を理解するには子供過ぎたが、そのメロディーラインや情感のこもった雰囲気は十分に感じられた。
中でもCan’t Stop Fallin’ in LoveやDeparturesは私にとって色あせない名曲である。
その当時、竹野内豊らが出演するJRのスキーCMで、BGMにDeparturesが使われていて、子供だった私は、恋人とのスキー旅行にずいぶんと憧れを抱いたものだった。
今、改めて聴きなおしている中では、Feel like Danceもいい。
まだまだ垢抜けない、まるでダイヤの原石そのままのKeikoがキラキラと輝いている。
聴いていて自然と胸が高なる。テンションが上がる。
今の時代から見ても、女性ボーカルと英語ラップという組み合わせは革新的だったと思う。
globe / Feel Like dance
歌詞の意味も分からなかった子供の私が感動できたのは、小室氏の作り出すメロディーとKeikoの歌声が私の根本に訴えかける何かを持っていたからだろう。
歌詞を理解した大人の私が今心揺さぶられるのは、そこにこめられた深い意味がまた胸に刺さるからなのだろう。
また、ライブの映像などを見ていると、Keikoがいかにも楽しそうに歌っているのもいい。
あの笑顔には人を元気にする力がある。というか単純に才能ある人が楽しそうに歌っているのを見るのは気持ちがいい。
名曲の条件にはいろいろあるけれど、
ひとつ、何年たっても古さを感じないということがあると思う。
ビートルズしかり、ボブ・ディランしかり、日本で言えば、B’zやL’Arc〜en〜Cielなどは何年たっても古さを感じない。私にとっては、globeもその並びにふさわしいグループの一つだ。
なぜ、名曲は古びないのか。
それは、おそらく本質を歌ったものだからだ。
人間の本質…それは、時に美しく、また時に醜い。
その変わることのない本質を臆せずつかまえることができたからこそ、その価値は永く普遍的に残るのだと思う。
Keikoは、時に覆い隠したくなるような人間の暗部を優しいほほえみと共に歌い上げる。
その瞬間、バレてしまったと狼狽すると同時に、
一方で、やっと見つけてもらったと安堵する自分がいる。
誰にも打ち明けられない悩みを、悲しみを彼らの音楽は丁寧に救い上げ、癒してくれる。
それがglobeを他のアーティストとは別の次元に引き上げている。
彼らと同じ時代を生きられたことを心から嬉しく思う。