なぜ、アニメや漫画、戦隊ものの主人公はイケメンなのだろう…そんな疑問を抱いたことはないだろうか?私はある。
例えば、戦隊モノの”レッド”はすべからくイケメンである。
マンガやアニメにしても、ほぼ例外なく主役級はイケメンぞろいだ。
イケメンって強いの?
そもそも、世の中は顔の良し悪しに重きを置き過ぎではないだろうか。
顔が良ければ、異性にはモテるかもしれないし、セールスマンであれば売り上げが良かったりもするだろう。だが、こと戦闘モノに関していえば、顔の良し悪しと戦闘能力には何の関係もない。
よって、顔は良くて、女にはモテるけどめちゃくちゃ弱いというキャラクターがいても全く不思議ではないのだが、実際そのようなキャラクターが登場する作品はほとんど見かけない。
もちろん、スポーツ選手など、トッププレイヤーでかつイケメンという稀有な存在をモテはやすこと自体を否定するつもりはない。
ただ、ことフィクションにおいて、初めから主人公=イケメンありきでキャスティングや作画が始まるのは正直どうなの?と疑問に思ってしまう。
戦隊ものはイケメン偏重洗脳教育か!?
たしか、漫画ハンターハンターに登場するあるキャラクターが、人間を揶揄して
「目が数ミリ大きいだとか、鼻が数センチ高いとか低いとか…そんな微々たる違いにこだわるなんて人間っていかにも滑稽な生き物だな~」という趣旨の発言をしていたが、いかにも言いえて妙だ。
そもそも、まだ幼い子供が見る戦隊もので、主人公はイケメンがなるもんなんだよ~みたいな洗脳をするのってちょっと怖い気がする。
たとえば、クラスで演劇なんかをするとき、配役の決め方にも悪い形で影響してくるのではないだろうか。イケメンでもないし太ってるからお前はお笑い担当ね、みたいな。
そう考えると、例えば、1クールはイケメンが主人公をつとめたら、2クール目は小太りの三枚目さんが主人公をつとめるくらいの配慮があった方が情操教育なんかの面では良さそうな気もする。まあ、ある意味で子供よりも熱心な奥様方が許しはしないでしょうけど(笑
主人公=イケメンという図式に一石を投じた”サイタマ”
ワンパンマンという作品をご存じだろうか。
マンガは累計1000万部を突破しアニメ化もされた人気作品だが、
その主人公「サイタマ」がなかなかぶっ飛んでいる。
まず、サイタマは一般人並みのテキト-なトレーニングによって、全宇宙を統べるような怪人であってもワンパン(パンチ一発)で倒せてしまう圧倒的な強さを手に入れてしまった。
多分、孫 ○空よりも強い(笑
にも関わらず、本人曰く、ヒーロー活動はただの趣味というテキトーさ。
そして、特徴的なのがその風貌だ。
おそらく作者は意識してそうしているのだろうが、設定同様、風貌もこれまたテキトー。
要所では、やや作画に力が入り、2.5枚目まで男ぶりが上がることはあるが、強さの代償にハゲてしまったという設定も相まって、とてもイケメンとは呼び難い。
イケメンぶりだけでいえば、S級ヒーローで弟子のジェノスの方がよほど主人公にふさわしいといえる。ただ、そうなると、どこにでもあるただのバトル漫画になってしまうだけだろう。
サイタマが登場するのは、決まってほかのヒーローたちが苦戦しているタイミングで、
彼が登場すると、待ってました~と思うと同時に、どこかホッとした気持ちになる。
それは、彼のゆるい風貌と無関係ではないだろう。
この”強くてゆるい”という新しいヒーロー像は、私の中では何とも心地いいバランスなのだ。
おわりに
昔から、「色男、金と力はなかりけり」などと言われてきた。
それが事実なのか、そうであってほしいという誰かの願望なのかはさておき、
どこもかしこも、イケメンが主人公をつとめ、ブ男は三下のちょい役もしくはお笑い担当というのは新鮮味が無いし、いい加減ウンザリしてくる。
たまには、最強の三枚目と非力なイケメンがともに戦うというような作品を見てみたいものだという気がするがいかがだろうか。
それでは、また。